【問題】
\(a\)、\(b\) は実数の定数であり、\(b>0\) とする.
\(3\) 次方程式 \(x^3+ax^2+(a^2-6)x+b=0\)
が相異なる \(3\) つの解をもち、それぞれの逆数もこの方程式の解である.
\(a\)、\(b\) の値を求め、この方程式を解け.
考え方
3次方程式の解と係数の関係
\(3\) 次方程式 \(ax^3+bx^2+cx+d=0\) (\(a≠0\))
の \(3\) 解を、\(\alpha\)、\(\beta\)、\(\gamma\) とすると
\(\alpha+\beta+\gamma=-\displaystyle\frac{b}{a}\)
\(\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha=\displaystyle\frac{c}{a}\)
\(\alpha\beta\gamma=-\displaystyle\frac{d}{a}\)
解答
\(3\) 次方程式 \(x^3+ax^2+(a^2-6)x+b=0\) ・・・(※)
の \(3\) 解を、\(\alpha\)、\(\beta\)、\(\gamma\) とすると、
\(\displaystyle\frac{1}{\alpha}\)、\(\displaystyle\frac{1}{\beta}\)、\(\displaystyle\frac{1}{\gamma}\) も解であるから、解と係数の関係より
\(\alpha+\beta+\gamma=\displaystyle\frac{1}{\alpha}+\displaystyle\frac{1}{\beta}+\displaystyle\frac{1}{\gamma}=-a\) ・・・ ①
\(\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha=\displaystyle\frac{1}{\alpha\beta}+\displaystyle\frac{1}{\beta\gamma}+\displaystyle\frac{1}{\gamma\alpha}=a^2-6\) ・・・ ②
\(\alpha\beta\gamma=\displaystyle\frac{1}{\alpha\beta\gamma}=-b\) ・・・ ③
\(b>0\) と③より、
\((\alpha\beta\gamma)^2=1\) かつ \(\alpha\beta\gamma<0\)
よって、\(\alpha\beta\gamma=-1\) ・・・ ④
③、④より、\(b=1\)
①より、
\(-a=\displaystyle\frac{1}{\alpha}+\displaystyle\frac{1}{\beta}+\displaystyle\frac{1}{\gamma}=\displaystyle\frac{\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha}{\alpha\beta\gamma}\)
④より、
\(-a=-(\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha)\)
よって、\(a=\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha\) ・・・ ⑤
②と⑤より、
\(a^2-6=a\iff(a+2)(a-3)=0\)
よって、\(a = -2 , 3 \)
(ア) \(a=-2\)、\(b=1\) のとき
(※) より \(x^3-2x^2-2x+1=0\)
\((x+1)(x^2-3x+1)=0\)
\(x=-1 , \displaystyle\frac{3\pm\sqrt{5}}{2}\)
(イ) \(a=3\)、\(b=1\) のとき
(※) より \(x^3+3x^2+3x+1=0\)
\((x+1)^3=0\)
よって(※)は \(3\) 重解 \(x=-1\) をもち、条件に反する.
したがって、
\(a=-2\)、\(b=1\) であり、
方程式の解は \(x=-1 , \displaystyle\frac{3\pm\sqrt{5}}{2}\)
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