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2021 北海道大学(後期)|整数問題[平方・指数→合同式の利用]

整数問題

【2021 北海道大学・理,工(後期)】

(1) 整数 \(m\) に対して,\(m^2\) を \(4\) で割った余りは \(0\) または \(1\) であることを示せ.

(2) 自然数 \(n\)、\(k\) が \(25\times3^n=k^2+176\) ・・・ (※) を満たすとき、\(n\) は偶数であることを示せ.

(3) (2)の関係式(※)を満たす自然数の組 \(( n , k )\) をすべて求めよ.

整数問題のPoint

まず整数問題すべてに共通して言えるPointは

  1. 積の形に変形
  2. 条件から範囲を絞る
  3. 倍数や余りに注目

整数問題の多くが、上の1から3のいずれかで処理できます。

この3つのPointは絶対に頭の中に叩き込んでください!

☆平方数・指数はmod 3,mod 4 が有効

難関大学ではよく出題されるPointの1つ!

まずは下の表を見てください。

平方数において

何かの2乗(平方数)において、

mod 3→「1,1,0」の繰り返し

mod 4→「1,0」の繰り返し

という規則が存在!

指数に関しても、同様に考えると規則を持つことが確認できる。

詳しくは類題として「2021 兵庫県立大学【整数】平方数には合同式(mod)を使え!」を参考にしてください。

また、合同式をまだ学習していない、または不安と言う人は、

合同式とは?合同式の基本性質を理解し、使えるようにする

合同式(基本編)基本的な問題で合同式を使う練習

で合同式をマスターしよう!

整数問題において、合同式が使えないのは致命的です・・・。

 

参考:平方数とmod 3、4、5、8について

上で紹介したように、平方数と合同式は非常に相性抜群です!

特に \(mod 3\) や \(mod 4\) は頻出ですので絶対に抑え、さらに参考として、\(mod 5\)、\(mod 8\) についても  紹介しておきます。

  • mod 3 ➡ 「0、1」のみ
  • mod 4 ➡ 「0、1」のみ
  • mod 5 ➡ 「0、1、4」のみ
  • mod 8 ➡ 「0、1、4」のみ


解答

【2021 北海道大学・理,工(後期)】

(1) 整数 \(m\) に対して,\(m^2\) を \(4\) で割った余りは \(0\) または \(1\) であることを示せ.

(2) 自然数 \(n\)、\(k\) が \(25\times3^n=k^2+176\) ・・・ (※) を満たすとき、\(n\) は偶数であることを示せ.

(3) (2)の関係式(※)を満たす自然数の組 \(( n , k )\) をすべて求めよ.

(1) 解答

以下、法を \(4\) として考える.

・ \(m ≡ 0\) のとき \(m^2 ≡ 0\)

・ \(m ≡ 1\) のとき \(m^2 ≡ 1\)

・ \(m ≡ 2\) のとき \(m^2 ≡ 4 ≡ 0\)

・ \(m ≡ 3\) のとき \(m^2 ≡ 9 ≡ 1\)

以上より、整数 \(m\) に対して,\(m^2\) を \(4\) で割った余りは \(0\) または \(1\) である.

(2) 解答

背理法で考える.

つまり、自然数 \(n\)、\(k\) が \(25\times3^n=k^2+176\) ・・・ (※) を満たすとき、

\(n\) は奇数であると仮定する.

このとき、法を \(4\) として考えると

\(3 ≡ -1\) より、 \(3^n ≡ (-1)^n\)

\(n\) は奇数であるから、

\(3^n ≡ -1 ≡ 3\)

また、\(25 ≡ 1\) 、\(176 ≡ 0\) 、

以上より、

(左辺) \(=25\times3^n ≡ 1\times3 = 3\)

(右辺) \(=k^2+176 ≡ k^2\)

(1)の結果から \(k^2 ≡ 0\) または \(1\) であるから、

(右辺)\( ≡ 0\) または \(1\)

よって両辺を \(4\) で割った余りが一致しないため、矛盾.

したがって、自然数 \(n\)、\(k\) が \(25\times3^n=k^2+176\) ・・・ (※) を満たすとき、\(n\) は偶数である.

(3) 解答

(2)より、\(n=2x\) (\(x\) は自然数) とおける.

(※)より

\(25\times3^{2x}=k^2+176\)

整数問題の Point である、積の形に変形を利用!
\((5\times3^x)^2-k^2=176\) より
\((5\times3^x-k)(5\times3^x+k)=2^4\times11\)
積が \(2^4\times11\) はたくさん・・・
☞ 絞り込みを行う!
① 正負の判断
② 大小関係
③ 和や差をとって偶奇の判定 など
\(x\)、\(k\) は自然数であるから、\(5\times3^x+k>0\)
よって、\(( 5\times3^x-k , 5\times3^x+k)\) は正の組を考えればよい.
また、\(x\)、\(k\) は自然数であるから、
\(5\times3^x-k < 5\times3^x+k\) である.
さらに、\((5\times 3^x-k)+(5\times 3^x+k) = 2\times5 \times 3^x\) となり
和が偶数であることが分かる.
つまり、ともに奇数またはともに偶数のいずれかとなるが、
\((5\times3^x-k)(5\times3^x+k)=2^4\times11\) より
\(( 5\times3^x-k , 5\times3^x+k)\) がともに奇数になることはない.
よって \(( 5\times3^x-k , 5\times3^x+k)\) はともに偶数.
以上のことから
\(( 5\times3^x-k , 5\times3^x+k)=( 2 , 88 ) , ( 4 , 44 ) , ( 8 , 22 )\)
\(( 5\times3^x , k)=( 45 , 43 ) , ( 24 , 20 ) , ( 15 , 7 )\)
\(( 5\times3^x , k)=( 45 , 43 )\) のとき
\(( x , k )=( 2 , 43)\)
よって、\(( n , k )=( 4 , 43 )\)
\(( 5\times3^x , k)=( 24 , 20 )\) のとき
\(5\times3^x=24\) を満たす自然数 \(x\) は存在しない
\(( 5\times3^x , k)=( 15 , 7 )\) のとき
\(( x , k )=( 1 , 7)\)
よって、\(( n , k )=( 2 , 7 )\)
以上より、\(( n , k )=( 2 , 7 ) , ( 4 , 43 )\)

 

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