【例題:4STEP181】
\(2\) つの \(2\) 次方程式 \(x^2+(m+3)x+8=0\)、\(x^2+5x+4m=0\) が共通な実数解をもつように定数 \(m\) の値を定め、その共通な解を求めよ.
共通解とは?
例えば、次のような \(2\) 式について考えてみます。
\(x^2-3x+2=0\) ・・・①
\(x^2-4x+3=0\) ・・・②
①を解くと、\((x-1)(x-2)=0 \iff x = 1 , 2\)
②を解くと、\((x-1)(x-3)=0 \iff x = 1 , 3\)
このとき、\(x=1\) は①、②の両方の式の解となります。
このような解のことを、共通解と言います。
共通解の問題の求め方
共通な解を \(x=\alpha\) とおき、
\(2\) 式に代入して連立方程式を解く
つまり、上の例で説明した \(x=1\) のことを \(x=\alpha\) と呼び、
\(x=1\) は①、②の両方の式の答えであるから、それぞれの式に代入しても成り立つよ!と言うところから考えていく流れです。
解答
\(x^2+(m+3)x+8=0\) ・・・①
\(x^2+5x+4m=0\) ・・・②
①、②の共通な解を \(x=\alpha\) とおく.[☜Point]
このとき、
\(\alpha^2+(m+3)\alpha+8=0\) ・・・①´
\(\alpha^2+5\alpha+4m=0\) ・・・②´
①´ー②´より(※以下に補足説明あり)
\((m-2)\alpha-4m+8=0\)
\((m-2)\alpha-4(m-2)=0\)
\((m-2)(\alpha-4)=0\)
したがって、\(m=2\) または \(\alpha=4\)
(ⅰ) \(m=2\) のとき
①、②に代入すると、\(2\) つの式はともに、
\(x^2+5x+8=0\)
この式の判別式を \(D\) とするとき、
\(D=5^2-4\times 1\times 8=-7<0\) より実数解を持たないため不適.
(ⅱ) \(\alpha=4\) のとき
①´(または②´)より \(4m+36=0\)
よって、\(m=-9\)
このとき、①、②の式はそれぞれ
\(x^2-6x+8=0\) ・・・①
\(x^2+5x-36=0\) ・・・② となり、
① \(\iff (x-2)(x-4)=0 \iff x = 2 , 4\)
② \(\iff (x-4)(x+9)=0 \iff x = 4 , -9\)
したがって、\(x=4\) は共通な解と確かになる.
以上より、\(m=-9\)、共通な解は \(x=4\)
補足説明
①´ー②´の計算について
今回の計算において、\(\alpha^2\) を消去するために差をとった.
一般に連立方程式の解き方は、いずれかの \(1\) 文字を消すことが多いが、共通解の問題においては、\(\alpha^2\) などの次数の高い文字を消すことで後々の計算が上手くいくことが多い.
もちろん、\(1\) 文字消去でも解ける.
【参考】\(1\) 文字消去で計算
\(\alpha^2+(m+3)\alpha+8=0\) ・・・①´
\(\alpha^2+5\alpha+4m=0\) ・・・②´
②´から \(m=\displaystyle\frac{-\alpha^2-5\alpha}{4}\) を ①´ に代入して式をまとめると、
\(\alpha^3+\alpha^2-12\alpha-32=0\) となり \(3\) 次方程式ができる.
上式の左辺を \(f(\alpha)\) と呼ぶと、\(f(4)=0\) となるので、
\((\alpha-4)(\alpha^2+5\alpha+8)=0\) と因数分解できる.
よって、\(\alpha= 4 , \displaystyle\frac{-5\pm\sqrt{-7}}{2}\) となり、
条件を満たす \(\alpha=4\) となる.
※以下は(ⅱ)の解答と同じ
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