【2022山口大学】
次の条件にとって定まる数列 \(\left\{a_{n}\right\}\) がある.
\(a_{1}=1\) , \(a_{2}=1\) , \(a_{n+2}=a_{n+1}+a_{n}\) (\(n=1,2,3,\cdots\))
次の問いに答えなさい.
(1) 漸化式 \(a_{n+2}=a_{n+1}+a_{n}\) を \(a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_{n})\) と変形したとき,定数 \(\alpha\) と \(\beta\) の値を求めなさい.ただし,\(\alpha<\beta\) とする.
(2) \(b_{n}=a_{n+1}-\alpha a_{n}\) (\(n=1,2,3,\cdots\)) とおく.数列 \(\left\{b_{n}\right\}\) の初項 \(b_{1}\) と一般項 \(b_{n}\) を求めなさい.
(3) 数列 \(\left\{a_{n}\right\}\) の一般項 \(a_{n}\) を求めなさい.
フィボナッチ数列とは
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,・・・
前2つの数字の和が,次の数になるように並べた数列です!
自然界など身の回りにもたくさんある規則・法則性で,入試にもよく出題されつ有名な数列です!
一般項の求め方について
\(a_{1}=1\) , \(a_{2}=1\) , \(a_{n+2}=a_{n+1}+a_{n}\) \(n=1,2,3,\cdot\)
フィボナッチ数列を漸化式で表すと,三項間の漸化式になります。
ですから特性方程式を解いて・・・といういつもの典型問題!
考え方自体はいつも通りの三項間の漸化式の解法と同じですが,値がやや面倒に・・・。
三項間の漸化式の解法が怪しい方は,まずは綺麗な値が出る問題で演習⏬してなれておきましょう!
【漸化式8,9】隣接三項間特性方程式(2実解,重解型)|解法パターン|数学B数列
解答・解説
(1)
\(a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_{n})\)
\(\iff\) \(a_{n+2}=(\alpha+\beta)a_{n+1}-\alpha\beta a_{n}\)
であるから,\(a_{n+2}=a_{n+1}+a_{n}\) より
\(\alpha+\beta=1\) , \(\alpha\beta=-1\)
解と係数の関係より,\(\alpha\) , \(\beta\) は \(2\) 次方程式
\(x^2-x-1=0\) の解である.
よって,\(\alpha<\beta\) であるから
\(\alpha=\displaystyle\frac{1-\sqrt{5}}{2}\) , \(\beta=\displaystyle\frac{1+\sqrt{5}}{2}\)
(2)
(1)より
\(b_{1}=a_{2}-\alpha a_{1}=1-\displaystyle\frac{1-\sqrt{5}}{2}\cdot1=\displaystyle\frac{1+\sqrt{5}}{2}\)
よって,\(b_{1}=\beta=\displaystyle\frac{1+\sqrt{5}}{2}\)
また,(1)より \(b_{n+1}=\beta b_{n}\) であり
数列 \(\left\{b_{n}\right\}\) は初項:\(\beta\) ,公比:\(\beta\) の等比数列となるので,
\(b_{n}=\beta\cdot\beta^{n-1}=\beta^n\)
したがって,\(b_{n}=\left(\displaystyle\frac{1+\sqrt{5}}{2}\right)^n\)
(3)
(3) 数列 \(\left\{a_{n}\right\}\) の一般項 \(a_{n}\) を求めなさい.
(2)より,\(a_{n+1}-\alpha a_{n}=\beta^n\) ・・・①
また,\(a_{n+2}=a_{n+1}+a_{n}\)
\(\iff\) \(a_{n+2}-\beta a_{n+1}=\alpha(a_{n+1}-\beta a_{n})\)
\(c_{n}=a_{n+1}-\beta a_{n}\) とおくと,
\(c_{1}=a_{2}-\beta a_{1}=1-\displaystyle\frac{1+\sqrt{5}}{2}\cdot1=\alpha\)
また,\(c_{n+1}=\alpha c_{n}\) となり,(2)と同様に考えて
\(c_{n}=\alpha^n\)
つまり,\(a_{n+1}-\beta a_{n}=\alpha^n\) ・・・②
①ー②より
\((\beta-\alpha)a_{n}=\beta^n-\alpha^n\)
\(a_{n}=\displaystyle\frac{\beta^n-\alpha^n}{\beta-\alpha}\)
したがって,\(a_{n}=\displaystyle\frac{1}{\sqrt{5}}\left\{\left(\displaystyle\frac{1+\sqrt{5}}{2}\right)^n-\left(\displaystyle\frac{1-\sqrt{5}}{2}\right)^n\right\}\)
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