1.03^{25}=2.09 とする.
(1) 毎年 1 回 a 万円を年利率 3 %で 24 回積み立てたとき,24 年後の利息を含めた積み立て総額は《 ア 》a 万円である.
(2) 100 万円を年利 3 %の複利で年のはじめに借り,その年から元利を毎年 x 円ずつ返済し,25 回で完済するものとする.x=《 イ 》円である.ただし,答えは千円未満を切り上げたものとする.
(1) 解答・解説
r=1.03 とする.r^{25}=2.09 である.
1 年目の最初に預けた a 万円について
1 年目の末に 3 %の利息がついて 1.03a 万円,
つまり ar 万円になる.
この ar 万円は 2 年目の末に 3 %の利息がついて ar^2 万円になる.
同様に考えていき,24 年目の末には ar^{24} 万円になる.
2 年目の最初に預けた a 万円について(2回目の積み立て金)
上と同様に考えると,24 年目の末には ar^{23} 万円になる.
3 , 4 , \cdots , 24 年目の最初に預けた a 万円について
上と同様に考えると,それぞれ 24 年目の末には ar^{22} , ar^{21} , \cdots , ar 万円になる.
したがって,24 年後の利息を含めた積み立て金の総額は,
ar^{24}+ar^{23}+ar^{22}+\cdots+ar\\=\displaystyle\frac{ar(r^{24}-1)}{r-1}\\=\displaystyle\frac{a(r^{25}-r)}{r-1}\\=\displaystyle\frac{a(2.09-1.03)}{1.03-1}\\=\displaystyle\frac{106}{3}a

現在の日本の銀行の金利は0.001%程度ですからほぼほどゼロ・・・.
つまり,毎年 a 万円ずつ 24 年積み立てても,ほぼ 24 a万円にしかなりません!
それに比べ,3 %の金利でお金を積み立てていくと,
\displaystyle\frac{106}{3}a=35.333\cdots a 万円になるので,大きな差ですね!
資産運用については正しく学ぶ必要があることが等比数列の計算から分かります!
(2) 解答・解説
n 回目の返済をした後の元利残高を A_{n} とする.
A_{0}=1000000=100\times 10^4
n 回目と n+1 回目の返済後に注目すると
A_{n+1}=rA_{n}-x ・・・① が成り立つ.

①を式変形すると,
A_{n+1}-\displaystyle\frac{x}{r-1}=r\left(A_{n}-\displaystyle\frac{x}{r-1}\right)
これは,数列 \left\{A_{n}-\displaystyle\frac{x}{r-1}\right\} は初項 A_{0}-\displaystyle\frac{x}{r-1} , 公比 r の等比数列であるから,
A_{n}-\displaystyle\frac{x}{r-1}=\left(A_{0}-\displaystyle\frac{x}{r-1}\right)r^n
A_{n}=\left(A_{0}-\displaystyle\frac{x}{r-1}\right)r^n+\displaystyle\frac{x}{r-1}
n=25 のとき
A_{25}=\left(A_{0}-\displaystyle\frac{x}{r-1}\right)r^{25}+\displaystyle\frac{x}{r-1}
A_{0}=100\times 10^4 , A_{25}=0 , r^{25}=2.09 であるから,
0=\left(100\times 100^4-\displaystyle\frac{x}{0.03}\right)\times 2.09+\displaystyle\frac{x}{0.03}
1.09x=6.27\times 10^4
よって,x=5.7522\cdots\times 10^4
したがって,千円未満を切り上げると x=58000 円

この計算結果から,借金の利息の大きさが分かりますね!
仮に利息がゼロであれば,100 万円を 25 回(年)で返済するためには,
毎年 4 万円を返済することになりますね!
ただ上の計算から,3 %の利息で毎年の返済額は約 5 万 8 千円!!
借金することが良いとか悪いということは置いといて,利息の大きさを十分に理解しましょう!(大学進学にあたり,奨学金を借りる方もたくさんいると思います!)
コメント