【2021 宮崎大学・改】
p、q を正の実数とする.点 O を原点とする座標空間において、4 点
A ( 1 , 1 , 0 )、B ( 0 , 2 , 0 )、C ( 0 , 0 , 6 )、D ( p , q , 1 )
をとる.3 点 A、B、C を含む平面を \alpha 、\triangle{OAD} の面積を S とする.
点 D が平面上 \alpha を動くとき、面積 S の最小値を求めよ.
平面の方程式について
《参考》外積の利用
※ \vec{x}\times\vec{y} を \vec{x} と \vec{y} の外積という
※ 外積は高校数学では学習しません。(教科書に載っていません)そのため,記述式の答案で使用すると、減点される可能性があります。使用する場合は、記述として解答に残さないこと!
公式の使い方など、より詳しくは

解答・考え方
\overrightarrow{AB}=( -1 , 1 , 0 )、\overrightarrow{AC}=( -1 , -1 , 6 ) の両方に垂直なベクトルを \vec{n}=( a , b , c ) とおくと、
\overrightarrow{AB}\cdot\vec{n}=0 かつ \overrightarrow{AC}\cdot\vec{n}=0 より
\begin{cases}-a+b=0\\-a-b+6c=0\end{cases}
よって、a=b=3c
c=1 として、\vec{n}=( 3 , 3 , 1 ) とする.
平面 \alpha の方程式は、
3(x-1)+3(y-1)+z-6=0
3x+3y+z-6=0 ・・・ ①
点 D が①上にあるとき
3p+3q-5=0
p+q=\displaystyle\frac{3}{5} ・・・ ②
また、S=\displaystyle\frac{1}{2}\sqrt{| \overrightarrow{OA} |^2 \times | \overrightarrow{OD} |^2-\left(\overrightarrow{OA}\cdot \overrightarrow{OD}\right)^2} より、
S=\displaystyle\frac{1}{2}\sqrt{2\times(p^2+q^2+1)-(p+q)^2}=\displaystyle\frac{1}{2}\sqrt{p^2-2pq+q^2+2} ・・・ ③
②で和の形が分かっている。
③は対称式
Sの最小値を求めたい
→相加平均・相乗平均の関係を利用
相加平均・相乗平均の関係の使い方については、
相加平均・相乗平均の関係はいつ使う?使うタイミングの見抜き方(基本)
相加平均・相乗平均の関係はいつ使う?使うタイミングの見抜き方(発展)
を参考にしてください。
③より、
S=\displaystyle\frac{1}{2}\sqrt{(p+q)^2-4pq+2}
②より S=\displaystyle\frac{1}{2}\sqrt{-4pq+\displaystyle\frac{33}{9}} ・・・ ④
ここで、p、q を正の実数なので、相加平均・相乗平均の関係より
p+q≧2\sqrt{pq}
②より、\displaystyle\frac{5}{3}≧\sqrt{pq}
よってpq≦\displaystyle\frac{25}{36}
④より、S≧\displaystyle\frac{1}{2}\sqrt{-4\times\displaystyle\frac{25}{36}+\displaystyle\frac{33}{9}}
したがって、S≧\displaystyle\frac{\sqrt{2}}{2}
等号成立は、
\begin{cases}p=q\\p+q=\displaystyle\frac{5}{3}\end{cases}
以上より、p=q=\displaystyle\frac{5}{6} のとき、S の最小値は\displaystyle\frac{\sqrt{2}}{2}
最後に
今回の問題は、2021宮崎大学の問題の誘導をなくし、少し条件を変えました。
もちろん様々な解法があると思いますが、ここでは難関大学で頻出テーマの「平面の方程式」を用いた解法を紹介しました。
また、入試問題における最重要テーマの1つである「相加平均・相乗平均の関係」も合わせて紹介しました。
この1問で入試問題の重要ポイントが学習できますので、ただ答えが出せるだけでなく、しっかりと考え方を大切にしてください!

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