【2003神戸大学・後期(改)】
数列 \(\left\{ a_{n} \right\}\) は、条件 \(a_{1}=7\)、\(a_{n+1}=(a_{n})^6\) \(( n=1,2,3,\cdots )\)
によって定められるとする.\(n\) を自然数とするとき、\(a_{n}\) を \(6^n\) で割ったときの余りが \(1\) になることを示せ.
自然数 \(n\) についての証明⇒数学的帰納法
\(n = 1 , 2 , 3 , \cdots\)(自然数) に対しての証明
⇒ 数学的帰納法を利用
(ⅰ) \(n = 1\) のとき命題が成立することを示す
(ⅱ) \(n = k\) のとき命題が成立すると仮定し、\(n=k+1\) のとき命題が成立することを示す
二項定理の利用
\(\boldsymbol{(a+b)^{n}=_{n}\hspace{-1.4mm}{\rm C}_{0}a^{n}+_{n}\hspace{-1.4mm}{\rm C}_{1}a^{n-1}b+_{n}\hspace{-1.4mm}{\rm C}_{2}a^{n-2}b^{2}+\cdots+_{n}\hspace{-1.4mm}{\rm C}_{n-1}ab^{n-1}+_{n}\hspace{-1.4mm}{\rm C}_{n}b^{n}}\)
\(\boldsymbol{\displaystyle (a+b)^{n}=\sum_{k=0}^{n} \hspace{0mm} _{n}\hspace{-0.5mm}{\rm C}_{k}a^{n-k}b^{k}}\)
\(a=1 , b=x\) とすると、
解答
( ⅰ ) \(n=1\) のとき
\(a_{1}=7\) を \(6^1\) で割った余りは \(1\)
よって成立する.
( ⅱ ) \(n=k\) のとき
\(a_{k}\) を \(6^k\) で割ったときの余りが \(1\) になると仮定すると、自然数 \(m\) を用いて
\(a_{k}=6^k\times m+1\) とおける.
\(a_{k+1}=(a_{k})^6=(6^k\times m+1)^6\)
二項定理より
\(a_{k+1}=_{6}C_{0}+_{6}C_{1}\cdot 6^k\times m+_{6}C_{2}\cdot (6^k\times m)^2+\cdots+_{6}C_{6}\cdot (6^k\times m)^6\)
\(=1+6^{k+1}(m+_{6}C_{2}\cdot 6^{k-1}\times m^2+\cdots+_{6}C_{6}\cdot 6^{5k-1}\times m^6)\)
したがって、\(n=k+1\) のとき成立する.
( ⅰ )、( ⅱ )よりすべての自然数 \(n\) で題意は成り立つ.
参考:別解(合同式の利用)
考え方・方針
\(a_{n}\) を \(6^n\) で割ったときの余りが \(1\)
\(\iff\) \(a_{n}-1\) が \(2^n\) かつ \(3^n\) で割り切れる
解答
\(a_{k}≡1\) ( \(mod 2^k\) ) と仮定する.
\(a_{k+1}-1≡(a_{k})^6-1=(a_{k}-1)(a^5_{k}+a^4_{k}+a^3_{k}+a^2_{k}+a_{k}+1)\)
ここで仮定より、\(a_{k}-1≡0\) ( \(mod 2^k\) ) ・・・①
また、\(a_{k}≡1\) ( \(mod 2\) ) であるから、
\(a^5_{k}≡a^4_{k}≡a^3_{k}≡a^2_{k}≡a_{k}≡1\) ( \(mod 2\) )
よって、\(a^5_{k}+a^4_{k}+a^3_{k}+a^2_{k}+a_{k}+1≡6≡0\) ( \(mod 2\) ) ・・・②
①、②より \(a_{k+1}-1≡0\) ( \(mod 2^{k+1}\) )
同様に \(a_{k+1}-1≡0\) ( \(mod 3^{k+1}\) ) も証明できる.
これらの結果から、\(a_{k+1}-1≡0\) ( \(mod 2^{k+1}\cdot3^{k+1}=6^{k+1}\) )
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