\(n\) 個のさいころを同時に振り、出た目の数の最大のものを \(M\)、最小のものを \(m\) とするとき、\(M-m>1\) となる確率を求めよ.
考え方【余事象の利用】
\(M-m>1\) を満たすのは、\(M-m = 2 , 3 , 4 , 5\) のいずれか
もちろん \(4\) つの場合分けをしても良いが、少し大変・・・。
☞ 余事象の利用!
\(M-m≦1\) を満たすもの、
つまり、\(M-m = 0 , 1\) を考え、全体から引けばよい.
解答
(ア) \(M-m=0\) のとき
つまり、\(n\) 個のさいころ全て同じ目が出ると言うことであるから、\(6\) 通り
(イ) \(M-m=1\) のとき
\(( M , m )=( 6 , 5 ) , ( 5 , 4 ) , ( 4 , 3 ) , ( 3 , 2 ) , ( 2 , 1 )\) の \(5\) 通りある.
\(( M , m )=( 6 , 5 )\) となるとき
\(n\) 個のさいころすべてが「\(5\) の目 または \(6\) の目」
(ただし、\(n\) 個すべてが同じ目になるものは除く)
つまり、\(2^n-2\) 通り
\(( M , m )=( 5 , 4 ) , ( 4 , 3 ) , ( 3 , 2 ) , ( 2 , 1 )\) のときも同様であるから、
\(5(2^n-2)\) 通り
(ア)、(イ)より、求める確率は
\(1-\displaystyle\frac{6+5(2^n-2)}{6^n}=\displaystyle\frac{6^n-5\cdot2^n+4}{6^n}\)
参考【正攻法で考える】
上では余事象を使って考えたが、演習として正攻法で解くとどうなるかを考えてみよう!
\(1\) つのやり方が分かれば他は同様に処理できるため、ここでは
\(M-n=5\) のときを例にとって行ってみる.
\(M-n=5\) のときの確率
\(M-n=5\) となるのは、
\(( M , m )=( 6 , 1 )\) のときのみ
ここで、
事象 \(A\):少なくと も\(1\) 回は \(6\) の目が出る
事象 \(B\):少なくと も\(1\) 回は \(1\) の目が出る
とおくと、求める確率は \(P(A \cap B)\)
よって、
\(P(A \cap B)=1-P(\overline{A\cap B})=1-P(\bar{A} \cup \bar{B})\)
ここで、
\(P(\bar{A} \cup \bar{B})=P(\bar{A})+P(\bar{B})-P(\bar{A}\cap\bar{B})\)
つまり、( \(6\) の目が出ない)+( \(1\) の目が出ない)ー( \(1\) も \(6\) も出ない)
よって、
\(P(\bar{A} \cup \bar{B})=\displaystyle\frac{5^n+5^n-4^n}{6^n}=\displaystyle\frac{2\cdot 5^n-4^n}{6^n}\)
したがって求める確率は、
\(P(A \cap B)=1-\displaystyle\frac{2\cdot 5^n-4^n}{6^n}=\displaystyle\frac{6^n-2\cdot 5^n+4^n}{6^n}\)
2017京都大学・文系
\(n\) を \(2\) 以上の自然数とする.さいころを \(n\) 回振り、出た目の最大値を \(M\) と最小値を \(L\) の差 \(M-L\) を \(X\) とする.
(1) \(X=1\) である確率を求めよ.
(2) \(X=5\) である確率を求めよ.
(1)は余事象で考えた(イ)のこと
(2)は参考で紹介した解法です.
コメント