【例題】次の条件によって定められる数列の一般項を求めよ.
7.a_{1}=0,a_{n+1}=2a_{n}+2n-2
漸化式は完全暗記もの!
数学が得意不得意に関わらず,ただただパターンを覚えてなければできるようになりません!
特にパターン5以降は,初めの1手を知っているかどうか,その1手さえ突破できれば,あとは基本のパターン1〜4に帰着します。
パターン7. a_{n+1}=pa_{n}+( n の 1 次式 )
※ p=1 のとき,階差数列型(パターン3) になります。
ここでは p≠1 について考えます.また, n の 1 次式について扱いますが,2 , 3 , ・・・次式となっても,基本的には同様に扱うことができます。(計算は大変ですが・・・)
解法Ⅰ.振分けタイプ
a_{n+1}=pa_{n}+( n の 1 次式 ) ( p ≠ 1 )
👉 a_{n+1}+\alpha(n+1)+\beta=p(a_{n}+\alpha n+\beta)
※ 2012年センター試験にてこちらの解法の誘導で出題されました。この後に紹介する方法の方が解法としては有名かもしれませんが,入試ではどのような誘導形式で出題れる分かりませんので,様々な解法を経験しておきましょう!
a_{n+1}=2a_{n}+2n-2
\iff a_{n+1}+2(n+1)=2(a_{n}+2n)
数列 \left\{ a_{n}+2n \right\} は,初項が a_{1}+2=2 , 公比が 2 の等比数列であるから,
a_{n}+2n=2\cdot 2^{n-1}
したがって,a_{n}=2^n-2n
参考:a_{n+1}=pa_{n}+( n の 2 次式 )
a_{n+1}+\alpha(n+1)+\beta=p(a_{n}+\alpha n+\beta) ・・・①とおいたのは,
与式を等比数列の形に変形することが目的です!
パターン4の隣接二項間特性方程式のタイプも,特性方程式を解くことで等比数列の形に変形しています。漸化式の解法の原則は,「等比数列の形に変形する」であることを知っておきましょう!
この考え方がしっかりと身につけば,
a_{n+1}=pa_{n}+(n の 2 次式) の場合,
a_{n+1}+\alpha(n+1)^2+\beta (n+1)+\gamma=p(a_{n}+\alpha n^2+\beta n+\gamma)
を満たす \alpha,\beta,\gamma を見つければ良い
解法Ⅱ.階差数列の利用
a_{n+1}=2a_{n}+2n-2 ・・・(ア)
(ア)において, n を n+1 とすると,
a_{n+2}=2a_{n+1}+2(n+1)-2
\iff a_{n+2}=2a_{n+1}+2n ・・・(イ)
(イ) ー (ア) より
\(\a_{n+2}-a_{n+1}=2(a_{n+1}-a_{n})+2)
ここで b_{n}=a_{n+1}-a_{n} とおくと
b_{1}=a_{2}-a_{1}=(2a_{1}+2-2)-a_{1}=0 ,
b_{n+1}=2b_{n}+2

パターン4:隣接二項間特性方程式型に帰着した!
この後の解法手順が不安な方は「こちら」を確認しよう!
\alpha=2\alpha+2 \iff \alpha=-2 より
b_{n+1}+2=2(b_{n}+2)
数列 \left\{ b_{n}+2 \right\} は,初項が b_{1}+2=2 , 公比が 2 の等比数列であるから,
b_{n}+2=2\cdot 2^{n-1} \iff b_{n}=2^n-2
よって,b_{n}=a_{n+1}-a_{n} より
a_{n+1}-a_{n}=2^n-2

パターン3:階差数列型に帰着した!
この後の解法手順が不安な方は「こちら」を確認しよう!
n≧2 のとき
a_{n}=a_{1}+\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1}{(2^k-2)}
=\displaystyle\frac{2\cdot(2^{n-1}-2)}{2-1}-2(n-1)=2^n-2n
n=1 のとき,a_{1}=2-2=0 となり成立
したがって,a_{n}=2^n-2n


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