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【2021東北大学・文】共通接線と放物線で囲まれた図形の面積|頻出・重要問題

2021年入試問題

【2021東北大学・文】

(1) \(3\) 次関数 \(y=x^3+x^2\) のグラフと \(2\) 次関数 \(y=x^2+4x+16\) のグラフの共通接線は \(2\) 本ある.それらの方程式を求めよ.

(2) (1)で求めた \(2\) 本の共通接線と \(2\) 次関数 \(y=x^2+4x+16\) のグラフで囲まれた部分の面積を求めよ.

(1)共通接線(共有点なし)の求め方・考え方

《解法の流れ》

[解法①]

一方の曲線に接点を与え、接線の方程式を求める.

その接線が、他方の曲線と接する条件を考える.

[解法②]

それぞれの曲線に接点を与え、それぞれ接線の方程式を求める.

その 2 接線が一致する条件を考える.

共通接線の解法については,共有点がある場合とない場合で異なります。

より詳しい考え方・例題は【数学Ⅱ・微分】共通接線2タイプの解法まとめ

【数学Ⅱ・微分】共通接線2タイプの解法まとめ
微分・積分は受験数学で得点源にしたい分野の1つ。その中で、共通接線を求める2タイプ(共有点がある・ないタイプ)の有名問題の解法まとめ。センター試験、共通テスト、定期考査、2次試験対策。数学Ⅱ

(1) 解答①

解答①の流れは,主に数学Ⅱの範囲の問題(文系)で出題されることが多い!

また,過去のセンター試験でもこの誘導形式で出題されています!

\(f(x)=x^3+x^2\) , \(g(x)=x^2+4x+16\) とおく.

\(f^{\prime}(x)=3x^2+2x\) より,

\(x=t\) における接線の方程式は

\(y-f(t)=(3t^2+2t)(x-t)\)

\(y=(3t^2+2t)x-2t^3-t^2\) ・・・①

①が,\(y=g(x)\) と接するためには,

\(x^2+4x+16=(3t^2+2t)x-2t^3-t^2\)

\(\iff\) \(x^2-(3t^2+2t+4)x+2t^3+t^2+16=0\)

が重解をもてばよい.つまり判別式 \(D=0\) を満たせばよい.

\(D=(3t^2+2t+4)^2-4(2t^3+t^2+16)=0\)

\(\iff\) \(9t^4+4t^3-24t^2-16t-48=0\)

この式は,\(t=2 , -2\) を満たす(代入したら成立する)ので,

\((t-2)(t+2)(9t^2+4t+12)=0\) と因数分解できる.

よって,\(t=2,-2\) , \(9t^2+4t+12=0\)

\(9t^2+4t+12=0\) のとき,

\(t=\displaystyle\frac{-2\pm\sqrt{2^2-9\times 12}}{9}\) となり実数解とならないため不適.

したがって,\(t=2,-2\)

これらをそれぞれ①に代入すると,求める共通接線の方程式は

\(y=16x-20\) , \(y=8x+12\)

(1) 解答②

解答②の流れは,複雑な関数のとき(数学Ⅲでは必須の考え方)が多いです!

いずれも頻出ですので,しっかりと解けるように!

\(f(x)=x^3+x^2\) , \(g(x)=x^2+4x+16\) とおく.

\(f^{\prime}(x)=3x^2+2x\) より,

\(x=t\) における接線の方程式は

\(y-f(t)=(3t^2+2t)(x-t)\)

\(y=(3t^2+2t)x-2t^3-t^2\) ・・・①

ここまでは上の解答①と全く同じ。

次に \(x=s\) における \(y=g(x)\) の接線を求めよう!

次に,\(g(x)=x^2+4x+16\) において

\(g^{\prime}(x)=2x+4\) より,

\(x=s\) における接線の方程式は

\(y-g(s)=(2s+4)(x-s)\)

\(y=(2s+4)x-s^2+16\) ・・・②

①と②が一致するとき,\(y=f(x)\) と \(y=g(x)\) の共通接線となるので,

\(\begin{cases}3t^2+2t=2s+4 ・・・③\\-2t^3-t^2=-s^2+16 ・・・④\end{cases}\)

③より \(s=\displaystyle\frac{1}{2}(3t^2+2t-4)\) を④に代入して式を整理すると,

\(9t^4+4t^3-24t^2-16t-48=0\)

以下,省略。

ここからは解答①と全く同じです。

(2)2接線と放物線で囲まれた図形の面積

(1)の結果から(2)の問題は

\(y=16x-20\) , \(y=8x+12\) , \(y=x^2+4x+16\) のグラフで囲まれた部分の面積を求めよ.

※ 右図はあくまでもイメージ(正確な位置関係のグラフではありません)

まず初めに,それぞれのグラフの交点の \(x\) 座標を調べる.

( ⅰ ) \(y=16x-20\) , \(y=8x+12\) の交点の \(x\) 座標は \(x=4\)

( ⅱ ) \(y=8x+12\) , \(y=x^2+4x+16\) の交点の \(x\) 座標は

\(x^2+4x+16=8x+12\)

\((x-2)^2=0\)

よって \(x=2\)

( ⅲ ) \(y=16x-20\) , \(y=x^2+4x+16\) の交点の \(x\) 座標は

\(x^2+4x+16=16x-20\)

\((x-6)^2=0\)

よって \(x=6\)

したがって,

\(S_{1}=\displaystyle\int ^4_2\left\{(x^2+4x+16)-(8x+12)\right\}\enspace dx\)

\(=\displaystyle\int ^4_2{(x-2)^2}\enspace dx\)

\(=\Bigl[\displaystyle\frac{1}{3}(x-2)^3\Bigr]^{4}_{2}=\displaystyle\frac{8}{3}\)

また,

\(S_{2}=\displaystyle\int ^6_4\left\{(x^2+4x+16)-(16x-20)\right\}\enspace dx\)

\(=\displaystyle\int ^6_4{(x-6)^2}\enspace dx\)

\(=\Bigl[\displaystyle\frac{1}{3}(x-6)^3\Bigr]^{6}_{4}=\displaystyle\frac{8}{3}\)

したがって,求める面積は \(\displaystyle\frac{8}{3}+\displaystyle\frac{8}{3}=\displaystyle\frac{16}{3}\)

参考:共通テスト裏技公式!

(2)について覚えておいてほしい裏技公式

《注意》以下は記述の解答では使用できません!

下図のような放物線の2接線の交点の \(x\) 座標について

・2 接点を \(x=\alpha\),\(\beta\) のとき、2 接線の交点の \(x\) 座標は各接点の”中点”になる

・放物線と 2 接線で囲まれた面積は、\(S=\displaystyle\frac{a}{12}(\beta-\alpha)^3\)

(※ \(a\) は放物線の 2 乗の係数)

面積 \(S\) は \(x=\displaystyle\frac{\alpha+\beta}{2}\) で 2 等分される

【2021 名古屋大学】共通接線と2接線と放物線で囲まれた面積(数学Ⅱ微分積分)
共通接線、解と係数の関係、積分公式と、1題で微分積分の多くの基礎を演習できる基礎的な良問。そして共通テスト(センター試験)でも使える裏技公式も紹介。2021年名古屋大学の数学の過去問。

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