【2005 東京大学(文理共通)】
3 以上 999 以下の奇数 \(a\) で、\(a^2-a\) が 10000 で割り切れるものをすべて求めよ.
整数問題のPoint
まず整数問題すべてに共通して言えるPointは
- 積の形に変形
- 条件から範囲を絞る
- 倍数や余りに注目
整数問題の多くが、上の1から3のいずれかで処理できます。
この3つのPointは絶対に頭の中に叩き込んでください!
【補題】連続する2つの自然数は互いに素
互いに素であることの証明について
互いに素であることの証明について
- 最大公約数 \(g\) が1であることを直接示す
- 背理法(最大公約数 \(g\) が2以上と仮定)の利用
- ユークリッドの互除法の利用
- 「\(a , b\) が互いに素」\(\Leftrightarrow\) 「\(ax+by=1\) が整数解をもつ」の利用
【証明】
連続する2つの自然数を \(n , n+1\) とし、その最大公約数を \(g\) とおく.
\begin{cases} n = ga ・・・①\\ n+1 = gb ・・・② \end{cases}
\(a , b\) は互いに素な自然数、\(a<b\) とおく.
② – ①より
\(g(b-a)=1\)
\(b-a>0\)、\(b-a\) は自然数より、\(g=1\)
よって連続する2つの自然数は互いに素となる
「連続する2つの整数は互いに素である」ことは1つの性質として覚えておこう!
2005 東京大学(文理共通)
3 以上 999 以下の奇数 \(a\) で、\(a^2-a\) が 10000 で割り切れるものをすべて求めよ.
考え方・思考の仕方・解答
まずは整数問題のPOINTの1つ目の「積の形」に変形しよう!
自然数 \(n\) を用いて、
\(a^2-a=10000n\)
\((a-1) a = 2^4\times 5^4\times n\)
\begin{cases} a-1 = 2^4\times x\\ a = 5^4\times y \end{cases}
\(a\) を消去すると
1次不定方程式だね!
\(( x , y )=( 39 , 1 )\) は①の解の1組より
\begin{cases} x-39=625k\\ y-1=16k \end{cases}
よって
\(a=625(16k+1)=10000k+625\)
\(a\) は 3 以上 999 以下の奇数より \(k=0\) のとき
\(a=625\)
最後に
いかがだったでしょうか?
この問題はぜひ完答したい問題です。
「連続する2つの整数が互いに素であること」が差を分ける問題となります。
まずはこの性質をしっかりと覚え使いこなせるように!
余力がある人は証明もできるようにしておきましょう!
コメント