【1999お茶の水女子大学・理】
\(n\) を正整数とする.\(2^n+1\) は \(15\) で割り切れないことを示せ.
考え方:整数問題の極意
方針がつかめない場合については、とにかく実験しましょう!
具体的に実験することで、規則や法則をみつけ、答えを予想しましょう!
具体的に実験
具体的に \(n=1,2,3,\cdots\) を \(2^n+1\) に代入し、\(15\) の約数である \(3\) の倍数 or \(5\) の倍数に注目していきます。
実験の結果から、
\(3\) の倍数となるのは、\(n\) が 奇数のとき
\(5\) の倍数となるのは、最初が \(n=2\) で、その後が \(4\) つおきであると予想できる.
仮にこの予想が正しければ、\(3\) の倍数 かつ \(5\) の倍数とはなり得ないため、確かに \(15\) の倍数にならない.
《方針》
① \(2^n+1\) が \(3\) の倍数 ⇒ \(n\) は奇数
② \(2^n+1\) が \(5\) の倍数 ⇒ \(n=4k+2\) ( \(k\) は自然数 )
の①、②を示せば良い
① \(2^n+1\) が \(3\) の倍数 ⇒ \(n\) は奇数
対偶の「 \(n\) は偶数 ⇒ \(2^n+1\) は \(3\) の倍数でない 」・・・① を証明すればよい.
② \(2^n+1\) が \(5\) の倍数 ⇒ \(n=4k+2\) ( \(k\) は自然数 )
上の①と同じように、対偶を用いても証明できる.
ただここでは、「 \(5\) の倍数 ⇒ \(1\) の位が \(0\) または \(5\) 」であることを利用して証明を考える.
解答
① \(2^n+1\) が \(3\) の倍数 ⇒ \(n\) は奇数
「 \(n\) は偶数 ⇒ \(2^n+1\) は \(3\) の倍数でない 」・・・(☆) を証明する.
自然数 \(m\) を用いて、\(n=2m\) とおける.
\(2^n+1=2^{2m}+1=4^m+1≡1^m+1=2\) ( mod 3 ) となり、\(2^n+1\) は \(3\) の倍数でない.
よって(☆)は成立する.
(☆)の対偶もまた成立するので、(☆)の対偶である
「 \(2^n+1\) が \(3\) の倍数 ⇒ \(n\) は奇数 」・・・① が成り立つ.
② \(2^n+1\) が \(5\) の倍数 ⇒ \(n=4k+2\) ( \(k\) は自然数 )
\(2^n\) の \(1\) の位は、「 \(2\)、\(4\)、\(8\)、\(6\) 」を繰り返すので、
\(2^n+1\) の \(1\) の位は、「 \(3\)、\(5\)、\(9\)、\(7\) 」を繰り返す.
つまり、\(2^n+1\) が \(5\) の倍数となるのは、\(k\) を自然数とすると \(n=4k+2=2(2k+1)\) のとき・・・②
①、②より、\(2^n+1\) は\(3\) の倍数 かつ \(5\) の倍数とはなり得ない.
すなわち \(15\) の倍数にならない.
参考
一の位の規則性・周期性については、下記を参考にしてください!
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