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2018年度第4問【整数問題】センター試験過去問解答・解説(数学ⅠA)

共通テスト(センター試験)

2018年センター試験(数学ⅠA)第4問[整数]

(1)問題・考え方・解説

正の約数の個数・総和の公式

自然数 \(n\) の素因数分解が

\(n=p_{1}^{a_{1}}\times p_{2}^{a_{2}}\times p_{3}^{a_{3}}\times\cdots\times p_{k}^{a_{k}}\) のとき

ただし、\(p_{1}<p_{2}<\cdots<p_{k}\) を満たす素数、\(a_{1},a_{2},\cdots,a_{k},k\) は自然数

正の約数の個数

\((a_{1}+1)(a_{2}+1)\cdots(a_{k}+1)\)

正の約数の総和

\((1+p_{1}+p_{1}^2+\cdots+p_{1}^{a_{1}})(1+p_{2}+p_{2}^2+\cdots+p_{2}^{a_{2}})\cdots(1+p_{k}+p_{k}^2+\cdots+p_{k}^{a_{k}})\)

約数の個数に関する演習問題

【2021早稲田大学・商】2021以下で、正の約数の和が奇数である数の個数

(1)解答

\(144=\) \(2^4\times 3^2\) ・・・〈アイウ〉より、

\(144\) の正の約数の個数は、\((4+1)(2+1)=\) \(15\) 個 ・・・〈エオ〉

(2)問題・考え方・解説

特殊解の見つけ方について

1次不定方程式の解の1つ(特殊解)の見つけ方は主に次の3つになります!

① 頑張って探す

② ユークリッドの互除法の利用

③ 合同式の利用

②については、「【頻出】1次不定方程式 (ax+by=c)の解法2つ(模範解答と時短裏技)」で紹介しています。

ここでは、「③合同式の利用」で特殊解を見つける方法を紹介します。

合同式について不安がある方は

合同式とは?合同式の基本性質を理解し、使えるようにする

合同式(基本編)基本的な問題で合同式を使う練習

を参考にしてください!

合同式は整数問題を扱う上で必須アイテムです!しっかりとマスターしましょう!

(2)解答・解説

\(144x-7y=1\) ・・・① とおく

①より、\(144x=7y+1\)

以下、\( mod\) \(7\) として考えると①より

\(144x≡1\) であるから、

\(144x≡4x≡-3x\)

よって、\(4x≡1\) ・・・② かつ \(-3x≡1\) ・・・③

②+③より \(x≡2\)

このとき、\(x\) の絶対値が最小となるのは、\(x=2\) ・・・〈カ〉

①より、\(y=41\) ・・・〈キク〉

\((x,y)=(2,41)\) は①の特殊解の \(1\) つであり、①より

\(y=\displaystyle\frac{144}{7}x-\displaystyle\frac{1}{7}\)

つまり傾きが \(\displaystyle\frac{144}{7}\) であるから、傾きに注目すると

整数 \(k\) を用いて、

\(x=7k+2\) , \(y=144k+41\) ・・・〈ケ〜シ〉

1次不定方程式の格子点を利用した解法については、

【頻出】1次不定方程式 (ax+by=c)の解法2つ(模範解答と時短裏技)

で詳しく説明しています.マーク試験であれば時短になります!

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(3)問題・考え方・解説

\(144\) の倍数で、\(7\) で割った余りが \(1\) となる自然数は、\(144x-7y=1\) と表せる.

(2)より、\(x=7k+2\) ・・・④ と表せる.

ここで、\(x\) が素因数に \(2\) または \(3\) 以外をもつとき

\(144x=2^4\times 3^2\times x\) の正の約数の個数は

\((4+1)(2+1)(1+1)\)\(=30\) 個以上となるから、

\(144x=2^4\times 3^2\times x\) の正の約数が \(18\) 個のとき

\(x\) は素因数に \(2\) または \(3\) のみをもつ

最小の値を考えるので、\(x=2\) ( \(k=0\) のとき ) とすると、

\(144x=2^5\times 3^2\) となり、正の約数の個数は \((5+1)(2+1)=\) \(18\) 個となる.

したがって、\(x=2\) ・・・〈ス〉

 

次に、\(144x=2^4\times 3^2\times x\) の正の約数が \(30\) 個のとき

\(x\) が素因数に \(2\) または \(3\) のみをもつと仮定する.

条件を満たすためには、

  • \(x=2^5=32\) のとき \(144x=2^9\times 3^2\)
  • \(x=3^3=27\) のとき \(144x=2^4\times 3^5\)
  • \(x=2\times 3^2=18\) のとき \(144x=2^5\times 3^4\)

のいずれかとなるが、\(x = 32 , 27 , 18\) は \(x=7k+2\) ・・・④ の形で表すことができないため不適.

したがって、④を満たし、正の約数の個数が \(30\) 個となる最小の数は、

\(k=3\) のとき、\(x=7\times 3+2=\) \(23\) ・・・〈セソ〉

 

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