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2022共通テスト整数「11^5x-2^5y=1」誘導なし(1次不定方程式・合同式・パスカルの三角形)

共通テスト(センター試験)

2022共通テスト数学ⅠA第4問[整数]

\(11^{5}x-2^{5}y=1\) の整数解のうち、\(x\) が正の整数で最小になるもの

今年の共通テストは、過去最低の平均点(約38点)となりそうです・・・。

まず1つ言えることとして、圧倒的に時間が足りない・・・。

毎年私自身も時間を測って解いていますが、例年よりも時間がかかりました。

この問題を緊張感のある中、時間内に受験生が解ききると考えると、それは相当大変です。

そこで、来年以降の共通テストに向けて、主に高校1・2年生に向けて、少しでも早く処理するための方法を紹介していこうと思います。

しかし、ただただテクニックだけを身に付けても、本質的な問題が解けなければ意味がありませんので、2次試験でもしっかりと使え、共通テストでも時間短縮ができる解法をここでは紹介していきます。

 

様々な問題がありましたが、ここでは大4問の整数問題の最後の問。

\(11^{5}x-2^{5}y=1\) の整数解のうち、\(x\) が正の整数で最小になるもの

について誘導なしで解く解法を紹介していきます。

 

合同式について

この解法を紹介するにあたり、「合同式」の知識が必要となります。

合同式は、共通テストだけでなく、2次試験の整数問題を扱う上では必須アイテムになりますので、絶対にマスターしてください。

合同式について心配な人は、まず初めに

合同式とは?合同式の基本性質を理解し、使えるようにする

合同式(基本編)基本的な問題で合同式を使う練習

をご確認ください。

また、他にも2次試験の整数問題を合同式を利用した解法をたくさん紹介していますので、「整数問題」のカテゴリーにある記事の問題で演習して見て下さい。

2021 北海道大学(後期)|整数問題[平方・指数→合同式の利用]

2021 京都工芸繊維大学 整数|倍数・余り・合同式

2021 東京海洋大学|背理法・倍数証明・合同式の利用

などなど他にも多数紹介しています。2次対策としてご活用ください。

解答(\(x\)の求め方)

\(11^{5}x-2^{5}y=1\) より、

\(11^{5}x=32y+1\)

以下すべて \(mod 32\) として考えると、

\(11^{5}x≡1\) ・・・①

ここで、\(11^2=121≡(-7)\) より

\(11^5=\left(11^2\right)^2\times 11≡(-7)^2\times 11=49\times 11≡17\times 11=187≡27≡(-5)\)

①より、

\(27x≡1\) ・・・②

\((-5)x≡1\) ・・・③

②+③×5 より

\(2x≡6\) ・・・④

※注意※

\(2x≡6\) (mod 32) において

\(x≡3\) (mod 32) とはできない!

理由は \(2\) と \(32\) が互いに素ではないから

この性質の理解が不十分な人は、「合同式とは?合同式の基本性質を理解し、使えるようにする」を確認しましょう。

④×3+③より

\(x≡19\) ・・・⑤

したがって、⑤を満たす整数解のうち、\(x\) が正の整数で最小になる \(x=19\) である.

合同式を用いることで、大きな値を小さく分解して処理することができるため、\(11^5\) という大きな値を直接処理することなく扱うことができます!類題が2019センター試験で出題されています。演習にどうぞ⏬

2018年度第4問【整数問題】センター試験過去問解答・解説(数学ⅠA)
約数の個数。合同式を利用した特殊解の見つけ方。格子点を利用した1次不定方程式の解法。センター試験(共通テスト)対策。頻出重要・差がつく整数問題
2019年度第4問【整数問題】センター試験過去問解答・解説(数学ⅠA)
1次不定方程式の特殊解を合同式を利用した特殊解の見つけ方、格子点の利用による時間短縮(裏技)解法。数学1A整数問題。共通テスト過去問演習対策。大学入試センター試験・本試。

\(y\) について

次に \(y\) について

\(x=19\) を \(11^{5}x-2^{5}y=1\) に代入してあとは計算をすればよいのだが、非常に計算量がある.

ちなみに、これを計算すると \(y=95624\) となる.

仮に入試本番であれば、とりあえず飛ばすべきである!

もちろんただの計算であるため、時間をかければ解ける.しかし逆に言うと、時間をかけないと解けない.

70分と言う入試本番の時間の中では、この問題は後回しにするべきである.

とりあえず最後まで解いて、時間が余れば戻ってこよう!

高校1、2年生の人が、演習として今といているのであれば、できるだけスピードを意識して計算をして欲しい。

ちなみに基本的には頑張って計算をしなければいけないが、以下では \(11^n\) について1 つ紹介をしておく.

【参考】\(11^n\) の計算について

パスカルの三角形の利用

\(11^n\) の計算結果とパスカルの三角形に出てくる数字に注目すると、

\(11^1=11\)

\(11^2=121\)

\(11^3=1331\)

一致するのが確認できるだろう。なぜ一致するのか??疑問に思った人は是非1度考えて欲しい!

 

ちなみに本問の、\(11^5\) についてパスカルの三角形の \(5\) 段目の数に注目すると

「1、5、10、10、5、1」となるが、「10」に関しては \(1\) つ繰り上げて

「1、6、1、0、5、1」つまり、\(11^5=161051\) であることがすぐに分かる.

 

仮にこれを知っていても、\(y\) を求めるのは大変であるが・・・。

しかしこのような細かい積み重ねで時間短縮をしていくしかない!!

(それにしても計算量が多すぎるよ・・・愚痴)

【2022共通テスト】数学ⅠA:第3問(場合の数・確率)|完全順列(モンモール数)
2022共通テスト数学ⅠA・確率の解説。 完全順列に関する問題。考え方、立式の仕方を1問1問丁寧に解説。攪乱順列。

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