【2021関西大学】
次の条件によって定まる各項が正の数列 \(\left\{a_{n}\right\}\) を考える.
\(a_{1}=5\) , \(\sqrt[3]{\displaystyle\frac{a_{n+1}}{5}}=a_{n}\) ( \(n=1,2,3,\cdots\) )
(1) 数列 \(\left\{b_{n}\right\}\) が \(b_{1}=1\) , \(b_{n+1}=3b_{n}+1\) で定められている.\(b_{n}\) を求めよ.
(2) \(c_{n}=\log_{5}{a_{n}}\) とおく.\(c_{n+1}\) を \(c_{n}\) で表せ.
(3) \(a_{n}\) を求めよ.それを利用して,すべての自然数 \(n\) に対して,\(a_{n}\) は奇数であることを示せ.
(1)隣接二項間特性方程式型
\(a_{n+1}=pa_{n}+q\) ( \(p ≠ 1\) , \(q ≠ 0\) )
👉 \(a_{n+1}-\alpha=p(a_{n}-\alpha)\)
ただし \(\alpha\) は特性方程式「 \(\alpha=p\alpha+q\) 」を満たす値
(1)解答・解説
(※ 一般的に,特性方程式の計算( \(\alpha\) を求める作業 ) は記述しない)
(2)対数型の漸化式
\(a_{n}\) , \(a_{n+1}\) の積や指数乗
⇒ 両辺正であること(真数条件)を確認し,対数をとる
(2)解答・解説
\(a_{1}=5>0\) , \(\sqrt[3]{\displaystyle\frac{a_{n+1}}{5}}=a_{n}\) より
すべての自然数 \(n\) に対して \(a_{n}>0\) となる.
よって両辺正であるから底を \(5\) とする対数をとると
\(\log_{5}{\sqrt[3]{\displaystyle\frac{a_{n+1}}{5}}}=\log_{5}{a_{n}}\)
よって,\(\displaystyle\frac{1}{3}\left(\log_{5}{a_{n+1}-1}\right)=\log_{5}{a_{n}}\)
したがって \(c_{n}=\log_{5}{a_{n}}\) とおくと,\(c_{n+1}=3c_{n}+1\)
(3)解答・解説
\(a_{1}=5\) より,\(c_{1}=\log_{5}{a_{1}}=1\) であるから,(1),(2)の結果から
\(c_{n}=\displaystyle\frac{1}{2}(3^n-1)\)
よって,\(\log_{5}{a_{n}}=\displaystyle\frac{1}{2}(3^n-1)\)
したがって,\(a_{n}=\displaystyle5^{\frac{1}{2}(3^n-1)}\)
ここで,自然数 \(n\) に対して,\(3^n\) は \(3\) 以上の奇数であるから,
\(3^n-1\) は正の偶数となる.
よって,\(\displaystyle\frac{1}{2}(3^n-1)\) は自然数となる.
したがって,すべての自然数 \(n\) に対して,
\(a_{n}=\displaystyle5^{\frac{1}{2}(3^n-1)}\) は奇数である.
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