【2017大阪大学】
次の条件によって定められる数列 \(\left\{a_{n}\right\}\) がある.
\(a_{1}=2\) , \(a_{n+1}=8a_{n}^2\) ( \(n=1,,2,3,\cdots\) )
(1) \(b_{n}=\log_{2}{a_{n}}\) とおく.\(b_{n+1}\) を \(b_{n}\) を用いてあらわせ.
(2) 数列 \(\left\{b_{n}\right\}\) の一般項を求めよ.
(3) \(P_{n}=a_{1}a_{2}a_{3}\cdots a_{n}\) とおく.数列 \(\left\{P_{n}\right\}\) の一般項を求めよ.
(4) \(P_{n}>10^{100}\) となる最小の自然数 \(n\) を求めよ.
解答・解説
(1)対数型の漸化式
\(a_{n}\) , \(a_{n+1}\) の積や指数乗
⇒ 両辺正であること(真数条件)を確認し,対数をとる
\(a_{1}=2>0\) で \(a_{n+1}=8a_{n}^2\) であるから,
すべての自然数 \(n\) に対して \(a_{n}>0\) となる.
よって両辺正であるから底を \(2\) とする対数をとると
\(\log_{2}{a_{n+1}}=\log_{2}{8a_{n}^2}=\log_{2}{8}+\log_{2}{a_{n}^2}\)
\(\log_{2}{a_{n+1}}=2\log_{2}{a_{n}}+3\)
ここで \(b_{n}=\log_{2}{a_{n}}\) とおくと
\(b_{n+1}=2b_{n}+3\)
(2)[パターン4]隣接二項間特性方程式型
漸化式のパターンの中で最頻出のタイプです!
解法の流れについては「【漸化式4】隣接二項間特性方程式|解法パターン|数学B数列」をご確認ください。
その他の漸化式の基本解法パターンのまとめは⏬
(1)より,\(b_{n+1}=2a_{n}+3\)
(3)
\(\log_{2}{a_{n}}=b_{n}\) より \(a_{n}=2^{b_{n}}\) ・・・①
\(P_{n}=a_{1}a_{2}a_{3}\cdots a_{n}\) より
\(P_{n}=2^{b_{1}}\times 2^{b_{2}}\times 2^{b_{3}}\times \cdots \times 2^{b_{n}}=2^{b_{1}+b_{2}+b_{3}\cdots+b_{n}}\)
したがって①より,\(P_{n}=\displaystyle2^{2^{n+2}-3n-4}\)
(4)
\(P_{n}>10^{100}\) のとき(3)より
\(\displaystyle2^{2^{n+2}-3n-4}>10^{100}\)
\(2^{n+2}-3n-4>\log_{2}{10^{100}}=100\log_{2}{10}\)
ここで,
\(\log_{2}{8}<\log_{2}{10}<\log_{2}{16}\) であるから
\(3<\log_{2}{10}<4\) より \(300<100\log_{2}{10}<400\)
また,\(c_{n}=2^{n+2}-3n-4\) とおくと
\(c_{n+1}-c_{n}=\left\{2^{n+3}-3(n+1)-4-\left(2^{n+2}-3n-4\right)\right\}\)
\(=2^{n+2}-3>0\) であるから,数列 \(\left\{c_{n}\right\}\) は単調に増加する数列である.
\(n=6\) のとき
\(c_{6}=2^8-3\times 6-4=234\)
\(n=7\) のとき
\(c_{7}=2^9-3\times 7-4=487\)
であるから,\(P_{n}>10^{100}\) となる最小の自然数 \(n\) は,\(n=7\)
コメント