スポンサーリンク

【数Ⅲ】複素数平面まとめ⑦(点の回転・一般)|入試問題演習

複素数平面まとめ(数Ⅲ)

【問題7】(2004横浜国立大学)

異なる複素数 \(\alpha\)、 \(\beta\)、\(\gamma\) が、\(2\alpha^2+\beta^2+\gamma^2-2\alpha\beta-2\alpha\gamma=0\) を満たすとき、次の問に答えよ.

(1) \(\displaystyle\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\) の値を求めよ.

(2) 複素数平面上で、\(3\) 点 \(A(\alpha)\)、\(B(\beta)\)、\(C(\gamma)\) を頂点とする \(△ABC\) はどのような三角形か.

(3) \(\alpha\)、 \(\beta\)、\(\gamma\) が \(x\) の \(3\) 次方程式 \(x^3+kx+20=0\) ( \(k\) は実数の定数) の解であるとき、\(\alpha\)、 \(\beta\)、\(\gamma\) および \(k\) の値を求めよ.

ここでは、数学Ⅲで学習する複素数平面について、実践問題(入試問題)を使って、ポイント(考え方)まとめをしていきます。

正直に言いますと、教科書をやっただけでは、入試レベルの問題に対応するのは難しいです。

ですから、教科書と入試レベルの橋渡しとして、過去に出題された入試問題を例に、複素数平面においておさえておきたい(入試でよく出る考え方)をまとめていきます。

基本的な考え方をしっかりと身に付け、2次試験で得点源にできるようにしていきましょう!

考え方(複素数における回転について)

原点を中心とする回転

※\(\alpha=\cos \theta+i\sin \theta\) とするとき、

点 \(\displaystyle\frac{z}{\alpha}\) は、点 \(z\) を原点を中心として角 \(-\theta\) だけ回転した点 

一般の点を中心とする回転

点 \(\alpha\) を中心に、点 \(\beta\) を \(k\) 倍して、角 \(\theta\) だけ回転した点が \(\gamma\) のとき

\(\gamma-\alpha=k(\cos \theta+i \sin \theta) (\beta-\alpha)\)

または

\(\displaystyle\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=k(\cos \theta+i \sin \theta)\)

解答

(1) \(2\alpha^2+\beta^2+\gamma^2-2\alpha\beta-2\alpha\gamma=0\) より

\(2\alpha^2=\alpha^2+\alpha^2\) と考えて

\((\alpha^2-2\alpha\beta+\beta^2)+(\gamma^2-2\alpha\gamma+\alpha^2)=0\) より

よって、\((\beta-\alpha)^2+(\gamma-\alpha)^2=0\)

\(\alpha\not=\beta\) なので、

\(\left(\displaystyle\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\right)^2=-1\)

したがって、\(\displaystyle\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=\pm i\)

 

(2) (1)より、\(\displaystyle\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=\cos \left(\pm\displaystyle\frac{\pi}{2}\right)+i\sin \left(\pm\displaystyle\frac{\pi}{2}\right)\) なので

\(\left|\displaystyle\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\right|=1\)、\(arg \displaystyle\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=\pm\displaystyle\frac{\pi}{2}\)

よって、\(\gamma\) は \(\alpha\) を中心に \(\beta\) を( \(1\) 倍して、)\(\pm\displaystyle\frac{\pi}{2}\) 回転した点となる.

したがって、\(△ABC\) は、\(∠A=\displaystyle\frac{\pi}{2}\) の直角二等辺三角形

 

(3)

実数係数の方程式において、\(x=z\) が解の \(1\) つであるとき、\(z\) の共役な複素数 \(\bar{z}\) も解となる.
また、\(3\) 次方程式であるから、少なくとも \(1\) つは実数解を持つので、その実数解を \(alpha\) として一般性を失わない.
このとき、\(\beta\) と \(\gamma\) は共役な複素数となるため、実軸に関して対称である.
さらに(2)の結果から、実数 \(p\) を用いて
\(\beta=\alpha+p+pi\)、\(\gamma=\alpha+p-pi\) と書ける.
解と係数の関係より
\(\alpha+\beta+\gamma=3\alpha+2p=0\)、
よって \(p=-\displaystyle\frac{3}{2}\alpha\)

ゆえに、

\(\beta=-\displaystyle\frac{1}{2}\alpha-\displaystyle\frac{3}{2}\alpha i=-\displaystyle\frac{1}{2}\alpha (1+3i)\)、
\(\gamma=-\displaystyle\frac{1}{2}\alpha+\displaystyle\frac{3}{2}\alpha i=-\displaystyle\frac{1}{2}\alpha (1-3i)\)
\(\alpha\beta\gamma=\displaystyle\frac{\alpha^3}{4}(1+3i)(1-3i)=-20 \iff \alpha^3=-8\)、
\(\alpha\) は実数より、\(\alpha=-2\)
よって \(\alpha=-2\)、\(\beta=1+3i\)、\(\gamma=1-3i\)
また、\(k=\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha=6\)
したがって、
\(( \alpha , \beta , \gamma ) = ( -2 , 1\pm3i , 1\mp3i )\)  (複号同順)、\(k=6\)

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました