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整式の重解条件|f(x)が(x-a)^2で割り切れる条件について

複素数と方程式

【広島大学】

(1) 整式 \(f(x)\) が \((x-\alpha)^2\) で割り切れるための必要十分条件は

\(f(\alpha)=f^{\prime}(\alpha)=0\)

(2) 整式 \(f(x)=ax^n+bx^{n-1}+x+1\) ( \(n≧3\) ) が \(x^2-2x+1\) で割り切れるとき,\(a\),\(b\) を \(n\) の式で表せ.

考え方

積の微分

\(\left(f(x)g(x)\right)^{\prime}=f^{\prime}(x)g(x)+f(x)g^{\prime}(x)\) 

この公式は数学Ⅲで学習するものになりますが,数学ⅡBまでで良い方も知っておいて損はないと思います!!

(1)はこの公式を利用して証明します!

参考(1)の拡張

整式 \(f(x)\) が \((x-\alpha)^n\) で割り切れるための必要十分条件は

\(f(\alpha)=f^{\prime}(\alpha)=f^{\prime\prime}(\alpha)=\cdots=f^{(n-1)}(\alpha)=0\)

(1)では \(n=2\) のときです。この性質は拡張することができますので,ぜひ覚えておきましょう!!

解答・解説

(1)

\(f(x)\) を \(2\) 次式 \((x-\alpha)^2\) で割ったときの商を \(g(x)\) とおくと,余りは \(1\) 次式以下であるから,余りを \(ax+b\) とおける.

つまり,\(f(x)=(x-\alpha)^2g(x)+ax+b\) ・・・①

\(f^{\prime}(x)=2(x-\alpha)g(x)+(x-\alpha)^2g^{\prime}(x)+a\) ・・・②

①,②にそれぞれ \(x=\alpha\) を代入すると

\(f(\alpha)=a\alpha+b\) ,\(f^{\prime}(\alpha)=a\)

\(\iff\) \(a=f^{\prime}(\alpha)\) ,\(b=f(\alpha)-a\alpha=f(\alpha)-f^{\prime}(\alpha)\alpha\)

よって,整式 \(f(x)\) が \((x-\alpha)^2\) で割り切れるための必要十分条件は

\(\begin{cases}a=0\\b=0\end{cases}\) \(\iff\) \(\begin{cases}f^{\prime}(\alpha)=0\\f(\alpha)-f^{\prime}(\alpha)\alpha=0\end{cases}\)

よって,\(f(\alpha)=f^{\prime}(\alpha)=0\)

(2)

\(f(x)=ax^n+bx^{n-1}+x+1\) より

\(f^{\prime}(x)=nax^{n-1}+(n-1)bx^{n-2}+1\)

\(f(x)\) が \(x^2-2x+1=(x-1)^2\) で割り切れるための必要十分条件は(1)より,

\(f(1)=f^{\prime}(1)=0\)

\(\begin{cases}f(1)=a+b+2=0\\f^{\prime}(1)=na+(n-1)b+1=0\end{cases}\)

よって,\(a=2n-3\),\(b=-2n+1\)

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