Loading [MathJax]/extensions/MathEvents.js
スポンサーリンク

【漸化式12】連立型の漸化式|解法パターン|数学B数列

漸化式

【例題】次の条件によって定められる数列の一般項を求めよ.

12.a_{1}=0 , b_{1}=1

\begin{cases}a_{n+1}=4a_{n}+8b_{n}\\b_{n+1}=a_{n}+6b_{n}\end{cases}

漸化式は完全暗記もの!

数学が得意不得意に関わらず,ただただパターンを覚えてなければできるようになりません!

特にパターン5以降は,初めの1手を知っているかどうか,その1手さえ突破できれば,あとは基本のパターン1〜4に帰着します。

パターン12.連立型

a_{n} , a_{n+1} , b_{n} , b_{n+1} の連立

👉解法2通り

解法① 一方を実数倍し加え,等比数列(パターン2)の形へ

解法② 1文字消去⇒隣接三項間特性方程式(パターン8,9)へ

解法①

12.a_{1}=0 , b_{1}=1

\begin{cases}a_{n+1}=4a_{n}+8b_{n}\\b_{n+1}=a_{n}+6b_{n}\end{cases}

\begin{cases}a_{n+1}=4a_{n}+8b_{n}・・・①\\b_{n+1}=a_{n}+6b_{n}・・・②\end{cases}

【考え方】

① + ② \times k より

a_{n+1}+kb_{n+1}=(4+k)a_{n}+(8+6k)a_{n} ・・・③

☆ ③を,( n+1 の式 ) =  r ( n の式 ) の形 ( 等比数列 ) にしたい!

👉 ③の係数の比に注目して,1 : k = (4+k) : (8+6k) 

が成立するときである.このとき

4k+k^2=8+6k \iff k^2-2k-8=0

よって (k+2)(k-4)=0 であるから, k=-2,4

【解答】

① + ② \times (-2) より

a_{n+1}-2b_{n+1}=2a_{n}-4b_{n}=2(a_{m}-2b_{n}) であるから,

数列 \left\{ a_{n}-2b_{n} \right\} は,初項が a_{1}-2b_{n}=-2 , 公比が 2 の等比数列より

a_{n}-2b_{n}=-2\cdot 2^{n-1} ・・・④

 

① + ② \times 4 より

a_{n+1}+4b_{n+1}=8a_{n}+32b_{n}=4(a_{m}+4b_{n}) であるから,

数列 \left\{ a_{n}+4b_{n} \right\} は,初項が a_{1}+4b_{n}=4 , 公比が 8 の等比数列より

a_{n}+4b_{n}=4\cdot 8^{n-1} ・・・⑤

 

\times 2 + ⑤ より

3a_{n}=-4\cdot 2^{n-1}+4\cdot 8^{n-1}

したがって,a_{n}=\displaystyle\frac{4\cdot 8^{n-1}-2^{n+1}}{3}=\displaystyle\frac{2^{3n-1}-2^{n+1}}{3}

また,⑤ ー ④ より

6b_{n}=4\cdot 8^{n-1}+2\cdot 2^{n-1}

よって,b_{n}=\displaystyle\frac{2\cdot 8^{n-1}+2^{n-1}}{3}=\displaystyle\frac{2^{3n-2}+2^{n-1}}{3}

参考

教科書や問題集に例題として記載されている問題の多くは, k=\pm 1 であることが多い.

つまり,①,②式をそれぞれ足したり,引いたりすることで等比数列の形に導ける.

最初に頭の中で足したり引いてみて,それでうまくいかなかった場合は,上のような一般的な手法を取りましょう!

解法②

12.a_{1}=0 , b_{1}=1

\begin{cases}a_{n+1}=4a_{n}+8b_{n}\\b_{n+1}=a_{n}+6b_{n}\end{cases}

\begin{cases}a_{n+1}=4a_{n}+8b_{n}・・・①\\b_{n+1}=a_{n}+6b_{n}・・・②\end{cases}

①より,b_{n}=\displaystyle\frac{1}{8}(a_{n+1}-4a_{n}) ・・・③

③より,b_{n+1}=\displaystyle\frac{1}{8}(a_{n+2}-4a_{n+1}) ・・・④

④に②,③を代入すると

\displaystyle\frac{1}{8}(a_{n+2}-4a_{n+1})=a_{n}+6\cdot \displaystyle\frac{1}{8}(a_{n+1}-4a_{n})

式を整理すると

a_{n+2}-10a_{n+1}+16a_{n}=0 であり,

a_{1}=0 , b_{1}=1 , ①より a_{2}=4a_{1}+8b_{1}=8 となる.

パターン8・9:隣接三項間特性方程式型に帰着した!

この後の解法手順が不安な方は「【漸化式8,9】隣接三項間特性方程式(2実解,重解型)|解法パターン|数学B数列」を確認しよう!

特性方程式 x^2-10x+16=0 を解くと

(x-2)(x-8)=0 \iff x = 2 , 8

与式は,

a_{n+2}-2a_{n+1}=8(a_{n+1}-2a_{n}) ・・・⑤

a_{n+2}-8a_{n+1}=2(a_{n+1}-8a_{n}) ・・・⑥ と式変形できる.

⑤より数列 \left\{a_{n+1}-2a_{n}\right\} は初項:a_{2}-2a_{1}=8 , 公比:8 の等比数列であるから,

a_{n+1}-2a_{n}=8\cdot 8^{n-1} ・・・⑤ ’

⑥より数列 \left\{a_{n+1}-8a_{n}\right\} は初項:a_{2}-8a_{1}=8 , 公比:2 の等比数列であるから,

a_{n+1}-8a_{n}=8\cdot 2^{n-1} ・・・⑥ ’

⑤ ‘ – ⑥ ‘ より

6a_{n}=8\cdot 8^{n-1}-8\cdot 2^{n-1}

したがって,a_{n}=\displaystyle\frac{4\cdot 8^{n-1}-2^{n+1}}{3}=\displaystyle\frac{2^{3n-1}-2^{n+1}}{3}

これを③に代入することで b_{n} は求められる.

計算量を考えると,解法①の方が楽である.
【漸化式11】階比数列型|解法パターン|数学B数列
漸化式の解き方・解法まとめ。階比数列型の一般項の求め方。nをn-1,n-2,・・・,2,1と値を小さくしていくことで求める。 差がつく頻出・重要問題。定期考査、大学入試共通テスト、2次試験対策。隣接二項間。また別解も紹介。
【漸化式13】数学的帰納法型の漸化式|解法パターン|数学B数列
漸化式の解き方・解法まとめ。実験⇒予測⇒数学的帰納法にて証明の流れから一般項を求める。誘導形式で出題されることが多いが、知らない・見たことがない漸化式を見たら実験をする習慣を!差がつく頻出・重要問題。定期考査、大学入試共通テスト、2次試験対策。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました