【2021岡山大学・理系・第3問】
以下の問いに答えよ.
(1) \(n\) が整数のとき,\(n\) を \(6\) で割ったときの余りと \(n^3\) を \(6\) で割ったときの余りは等しいことを示せ.
(2) 整数 \(a\),\(b\),\(c\) が条件
\(a^3+b^3+c^3=(c+1)^3\) ・・・( ※ )
を満たすとき,\(a+b\) を \(6\) で割った余りは \(1\) であることを示せ.
(3) \(1≦a≦b≦c≦10\) を満たす整数の組 \((a,b,c)\) で,(2) の条件( ※ )を満たすものすべてを求めよ.
解答・解説
(1) 合同式の利用
倍数や余りについては,合同式を利用することで解答が簡略化できます!
整数問題を扱う上で合同式は必須アイテムですから,不安な方は
を参考に!
以下,\(mod 6\) として考える.
(ア) \(n≡0\) のとき,\(n^3≡0\) より成り立つ.
(イ) \(n≡\pm 1\) のとき,\(n^3≡\pm 1\) (複号同順)より成り立つ.
(ウ) \(n≡\pm 2\) のとき,\(n^3≡\pm 8≡\pm 2\) (複号同順)より成り立つ.
(エ) \(n≡3\) のとき,\(n^3≡27≡3\) より成り立つ.
以上より,題意は成立する.
(2) 合同式の利用
以下,\(mod 6\) として考える.
\(a^3+b^3+c^3=(c+1)^3\) より
\(a^3+b^3=3c^2+3c+1=3c(c+1)+1\)
\(c\) は整数より,\(c(c+1)\) は連続する \(2\) 整数の積であるから,\(2\) の倍数となる.
よって,\(3c(c+1)≡0\) であるから,
\(a^3+b^3≡1\) が成立する.
また(1)の結果から,\(a^3≡a\),\(b^3≡b\) より
\(a+b≡1\)
以上より,題意は成立する.
(3)
\(2≦a+b≦20\) かつ \(a+b≡1\) \((mod 6)\) より
\(a+b=7,13,19\) のいずれかとなる.
( ⅰ ) \(a+b=7\) のとき
\((a,b)=(1,6),(2,5),(3,4)\) のいずれか.
それぞれを ( ※ ) に代入する
・\((a,b)=(1,6)\) のとき
\(1^3+6^3+c^3=(c+1)^3\) かつ \(6≦c≦10\) より
\(c=8\)
・\((a,b)=(2,5)\) のとき
\(2^3+5^3+c^3=(c+1)^3\) かつ \(5≦c≦10\) より
これを満たす整数 \(c\) は存在しない.
・\((a,b)=(3,4)\) のとき
\(3^3+4^3+c^3=(c+1)^3\) かつ \(4≦c≦10\) より
\(c=5\)
( ⅱ ) \(a+b=13\) のとき
\((a,b)=(3,10),(4,9),(5,8),(6,7)\) のいずれか.
それぞれを ( ※ ) に代入すると,それぞれを満たす \(c\) は存在しない.
( ⅲ ) \(a+b=19\) のとき
\((a,b)=(9,10)\)
これを ( ※ ) に代入すると,\(c\) は存在しない.
( ⅰ )〜( ⅲ ) より,\((a,b,c)=(1,6,8),(3,4,5)\)
コメント