【例題】次の条件によって定められる数列の一般項を求めよ.
5.\(a_{1}=2\),\(a_{n+1}=4a_{n}+6\cdot 2^n\)
6.\(a_{1}=1\),\(a_{n+1}=\displaystyle\frac{a_{n}}{2a_{n}+3}\)
漸化式は完全暗記もの!
数学が得意不得意に関わらず,ただただパターンを覚えてなければできるようになりません!
特にパターン5以降は,初めの1手を知っているかどうか,その1手さえ突破できれば,あとは基本のパターン1〜4に帰着します。
パターン5. \(n\) 乗型
\(a_{n+1}=pa_{n}+q^n\) ( \(p ≠ 1\) )
👉 \(q^{n+1}\) で割って置き換え
※ \(p=1\) のとき,階差数列型(パターン3)
※ \(q^n\) については,\(q^{n-1}\) , \(q^{2n}\) など \(n\) 乗の形は様々
\(2^{n+1}\) で割ると,
\(\displaystyle\frac{a_{n+1}}{2^{n+1}}=\displaystyle\frac{4a_{n}}{2^{n+1}}+\displaystyle\frac{6\cdot 2^n}{2^{n+1}}\)
\(\iff\) \(\displaystyle\frac{a_{n+1}}{2^{n+1}}=2\cdot\displaystyle\frac{a_{n}}{2^n}+3\)
パターン4:隣接二項間特性方程式型に帰着した!
この後の解法手順が不安な方は「こちら」を確認しよう!
最後に,\(b_{n}=\displaystyle\frac{a_{n}}{2^n}\) であるから
\(b_{n}=\displaystyle\frac{a_{n}}{2^n}=2^{n+1}-3\)
したがって,\(a_{n}=(2^{n+1}-3)\cdot 2^n\)
パターン6.分数型(基本)
\(a_{n+1}=\displaystyle\frac{ra_{n}}{pa_{n}+q}\)
👉 逆数をとる
※ \(a_{n}≠0\) について記述する必要あり
※ 分数型の発展問題
【漸化式14】分数型(発展)2実数解タイプ|解法パターン|数学B数列
【漸化式15】分数型(発展)重解タイプ|解法パターン|数学B数列
\(a_{1}=1>0\) かつ \(a_{n+1}=\displaystyle\frac{a_{n}}{2a_{n}+3}\) であるから,
明らかに \(a_{n}>0\) つまり \(a_{n}≠0\) であるので逆数をとると,
\(\displaystyle\frac{1}{a_{n+1}}=\displaystyle\frac{2a_{n}+3}{a_{n}}=3\cdot \displaystyle\frac{1}{a_{n}}+2\)
パターン4:隣接二項間特性方程式型に帰着した!
この後の解法手順が不安な方は「こちら」を確認しよう!
\(\alpha=3\alpha+2\) \(\iff\) \(\alpha=-1\) より
\(b_{n+1}=3b_{n}+2\) \(\iff\) \(b_{n+1}+1=3(b_{n}+1)\)
数列 \(\left\{ b_{n}+1 \right\}\) は,初項が \(b_{1}+1=2\) , 公比が \(3\) の等比数列であるから,
\(b_{n}+1=2\cdot 3^{n-1}\) \(\iff\) \(b_{n}=2\cdot 3^{n-1}-1\)
最後に,\(b_{n}=\displaystyle\frac{1}{a_{n}}\) であるから
\(b_{n}=\displaystyle\frac{1}{a_{n}}=2\cdot 3^{n-1}-1\)
したがって,\(a_{n}=\displaystyle\frac{1}{2\cdot 3^{n-1}-1}\)
参考:\(a_{n}≠0\) であることの有名な証明法
上のパターン6では,明らかに正であることが分かったため簡略的な説明で \(a_{n}≠0\) を説明した.
一般的な有名な証明法としては,背理法を用いて示す.別の場面でもよく出題されるため,解法の流れを知っておきましょう!
背理法の利用
\(a_{n+1}=0\) であると仮定する
POINT
\(a_{n}\) ではなく,\(a_{n+1}\) からスタートします!
\(a_{n+1}=\displaystyle\frac{a_{n}}{2a_{n}+3}\) より
\(\displaystyle\frac{a_{n}}{2a_{n}+3}=0\)
よって \(a_{n}=0\)
この結果から
\(a_{n+1}=0 ⇒ a_{n}=0\) であることがわかった.
つまり,これを繰り返すことで
\(a_{n+1}=0 ⇒ a_{n}=0 ⇒ a_{n-1}=0 ⇒ \cdots ⇒ a_{2}=0 ⇒ a_{1}=0\)
この結果から,\(a_{1}=0\) と導けるが,\(a_{1}=1\) であることに矛盾する.
よって \(a_{n+1}≠0\) であるから,\(a_{n}≠0\)
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