【2021 東京海洋大学】
(1) 自然数 \(a\)、\(b\)、\(c\) が等式 \(a^2+b^2=c^2\) を満たすとき、
\(a\)、\(b\)、\(c\) の少なくとも \(1\) つは \(5\) の倍数であることを示せ.
(2) \(p\) が \(5\) 以上の素数であるとき、\(p^2-1\) は \(6\) の倍数であることを示せ.
(3) \(p\) が \(5\) 以上の素数であるとき、\(p^2-1\) は \(24\) の倍数であることを示せ.
倍数証明について
「〇〇の倍数」という問題に対しては、合同式を利用すると解答が非常にスッキリします。
合同式について学習が十分でない方は、
のページで合同式について理解した上で、この問題を改めて考えてみましょう!
解答・考え方
(1) 背理法を用いて証明する.
\(a\)、\(b\)、\(c\) のすべてが \(5\) の倍数でない仮定する.
このとき、法を \(5\) として
\(a≡±1 , ±2\) より、\(a^2≡1 , 4\)
\(b\)、\(c\) についても同様に、
\(b^2≡1 , 4\)、\(c^2≡1 , 4\)
よって、\(a^2+b^2≡1+1 , 1+4 , 4+1 , 4+4\)
つまり、\(a^2≡2 , 0 , 0 , 3\) となるが、\(c^2≡1 , 4\) であるため
等式 \(a^2+b^2=c^2\) を満たす自然数 \(a\)、\(b\)、\(c\) は存在しない.
ゆえに矛盾する.
したがって、\(a\)、\(b\)、\(c\) の少なくとも \(1\) つは \(5\) の倍数である
(2)
\(6\) の倍数を示す
→ \(2\) と \(3\) が互いに素より
「\(2\) の倍数」かつ「\(3\) の倍数」
であることを示せばよい.
\(p\) は \(5\) 以上の素数であるから、必ず奇数となる.
\(p^2\) も奇数であるので、\(p^2-1\) は偶数
よって、\(p^2-1\) は \(2\) の倍数である・・・①
また、\(p\) は \(5\) 以上の素数であるから、\(3\) の倍数でない.
つまり、\(p≡±1\) (\(mod 3\)) なので
\(p^2-1≡0\) (\(mod 3\))
よって、\(p^2-1\) は \(3\) の倍数である・・・②
\(2\) と \(3\) が互いに素より
①、②から、\(p^2-1\) は \(6\) の倍数である.
(3)
\(24\) の倍数を示す
→ \(3\) と \(8\) が互いに素より
「\(3\) の倍数」かつ「\(8\) の倍数」
であることを示せばよい.
\(p\) は \(5\) 以上の素数であるから、必ず奇数となる.
つまり、\(p≡±1 , ±3\) (\(mod 8\))
このいずれにおいても、\(p^2-1≡0\) (\(mod 8\))
となるので、\(p^2-1\) は \(8\) の倍数である・・・③
\(3\) と \(8\) が互いに素より
②、③から、\(p^2-1\) は \(24\) の倍数である.
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