Processing math: 100%
スポンサーリンク

【2021聖マリアンナ医科大学】データの分析と整数問題|分散の最大・最小

2021年入試問題

【2021聖マリアンナ医科大学】

10 人の生徒が受けたテストの得点分布を以下に示す.

テストの得点は 10 点刻みで平均点は 75 点であった.

abcd0 以上の整数で,同じ数であってもよい.

(1) a=2 のとき,d の値となりうる整数をすべて求めよ.

(2) 分散が最大となる ( a , b , c , d ) を求めよ.

(3) 分散が最小となる ( a , b , c , d ) を求めよ.

データの分析:基本公式の確認・まとめ

平均値

変量 x についてのデータが n 個の値 x_{1} ,  x_{2} , \cdots , x_{n} であるとき,それらの総和を n で割ったものを,データの 平均値 といい, \overline{x} で表す.

\overline{x}=\displaystyle\frac{1}{n}(x_{1}+x_{2}+\cdots+x_{n})

中央値,最頻値

データを値の大きさの順に並べたとき,中央の位置にくる値を,データの中央値(メジアン)という.

《例①》データが奇数個の場合

「データ:10 , 12 , 15 , 17 , 18 」の中央値は,「 15 」となる.

《例②》データが偶数個の場合

「データ:10 , 12 , 15 , 17 , 18 , 20 」の中央値は,15 と 17 の平均値をとった「 16 」となる.

 

データにおいて,最も個数の多い値を,そのデータの最頻値(モード)という.

分散と標準偏差

変量 x についてのデータが n 個の値 x_{1} ,  x_{2} , \cdots , x_{n} であるする.

また,n 個の値 x_{1} ,  x_{2} , \cdots , x_{n} の平均値を \overline{x} とするとき,

s^2=\displaystyle\frac{1}{n}\left\{\left(x_{1}-\overline{x}\right)^2+\left(x_{2}-\overline{x}\right)^2+\cdots+\left(x_{n}-\overline{x}\right)^2\right\}

この値 s^2分散という.また,\sqrt{s^2}s で表し,標準偏差という.

( x のデータの分散 ) = (  x^2 のデータの平均値 ) ー ( x のデータの平均値 )^2

と式変形することもできる.(証明は省略)

2 乗の平均,平均の 2 乗から分散を求める公式は差がつきます!

演習問題として「【2021信州大学】相関係数の計算、分散=(2乗の平均)-(平均の2乗)の利用」をご参考に!

共分散と相関係数

2 つの変量 x , y のデータが n 個の x , y の値の組として

( x_{1} , y_{1} ) , ( x_{2} , y_{2} ) , \cdots ,  ( x_{n} , y_{n} ) のとき,

s_{xy}=\displaystyle\frac{1}{n}\left\{\left(x_{1}-\overline{x}\right)\left(y_{1}-\overline{y}\right)+\left(x_{2}-\overline{x}\right)\left(y_{2}-\overline{y}\right)+\cdots+\left(x_{n}-\overline{x}\right)\left(y_{n}-\overline{y}\right)\right\}
この値 s_{xy}共分散という.
さらに, x の標準偏差を s_{x}y の標準偏差を s_{y} とするとき,
r=\displaystyle\frac{s_{xy}}{s_{x}s_{y}}
この値 r相関係数という.

解説・解答

【2021聖マリアンナ医科大学】

10 人の生徒が受けたテストの得点分布を以下に示す.

テストの得点は 10 点刻みで平均点は 75 点であった.

abcd0 以上の整数で,同じ数であってもよい.

(1) a=2 のとき,d の値となりうる整数をすべて求めよ.

(2) 分散が最大となる ( a , b , c , d ) を求めよ.

(3) 分散が最小となる ( a , b , c , d ) を求めよ.

テストを 10 人の生徒が受けたので,

1+1+a+b+c+d+a=10 \iff 2a+b+c+d=8・・・①

また平均点は 75 点であるから,

40+50+60a+70b+80c+90d+100a=75\times 10

\iff 16a+7b+8c+9d=66・・・②

②ー①\times 7 より

2a+c+2d=10・・・③

①ー③より

b-d=-2 \iff b=d-2・・・④

b0 以上の整数なので,④より d≧2・・・⑤

(1) a=2 のとき

③より c+2d=6 \iff c=2(3-d)

c0 以上の整数なので,d≦3
よって⑤より,d = 2 , 3 
(2) , (3)
分散を s^2 とおくと
s^2=\displaystyle\frac{1}{10}\left\{(40-75)^2+(50-75)^2+a(60-75)^2+b(70-75)^2\\+c(80-75)^2+d(90-75)^2+a(100-75)^2\right\}

この式をただただ計算するのは大変!工夫をしましょう!

本問では,最大値・最小値となる ( a , b , c , d ) を求めることが目的ですから,不要な計算は省略していきましょう!

10s^2=(15^2+25^2)a+5^2b+5^2c+15^2d+(定数) と表せ,

10s^2=5^2(34a+b+c+9d)+(定数)
①より b+c=-2a-d+8 であるから
10s^2=5^2(32a+8d)+(定数) ・・・⑥
ここで,abcd0 以上の整数かつ,
2a+b+c+d=8・・・①,d≧2・・・⑤ より
a = 0 , 1 , 2 , 3
分散が最大 \iff ⑥が最大となればよいので,a=3 となればよい
このとき①より,b+c+d=2 かつ d≧2・・・⑤ であり,
bc0 以上の整数であることに注意すると,
求める ( a , b , c , d ) = ( 3 , 0 , 0 , 2 )
また,分散が最小となるとき,a=0 , d=2 となればよい
このとき ④より b=0 , ①より c=6
したがって, ( a , b , c , d ) = ( 0 , 0 , 6 , 2 )

コメント

タイトルとURLをコピーしました