【問題】2021年京都大学 文系 第4問
\(p\) が素数ならば \(p^{4}+14\) は素数でないことを示せ.
はじめに
数あるサイトの中からご覧いただきありがとうございます。
「マスマス学ぶ」の亮太です。
ここではただ解答を紹介するだけでなく、問題を見てからどのように考えるのか、考え方・思考の仕方をメインにお話しします。
整数問題は多くの人が解答を見れば理解できます。しかし、多くの人が解けません。
それはしっかりと系統的に考え方が整理されていないからです。
様々な良問の整数問題を通して、考え方を身につけていってください!
整数問題のPoint
まず整数問題すべてに共通して言えるPointは
- 積の形に変形
- 条件から範囲を絞る
- 倍数や余りに注目
整数問題の多くが、上の1から3のいずれかで処理できます。
この3つのPointは絶対に頭の中に叩き込んでください!
さらに上のポイントに加えて、方針が立たない時は次のポイントを考えましょう。
整数問題の極意 👉 実験する
※規則性や法則を見つける
整数問題では、実験の中から規則を見つけて方針を立てていくことが多いです。
問題文と睨めっこしてもダメ!手を動かしましょう!
2021年 京大(文系)第4問
【問題】2021年京都大学 文系 第4問
\(p\) が素数ならば \(p^{4}+14\) は素数でないことを示せ.
【考え方・思考の仕方】
《Step1》
「\(p^4+14\) は素数でない」ことを示すためには、
「□の倍数」になることを示せばよい.ただし□は除く
※例えば「5の倍数の中で素数になるのは5だけ」であるから、5ではない5の倍数であることが証明できればよい。と言う形で考える.
《Step2》
方針がつかめなければとにかく手を動かす(実験)
[実験]\(p\) に2、3、5、7・・・・・と代入
・\(p=2\) のとき、\(2^4+14=30\) (3の倍数になる)
・\(p=3\) のとき、\(3^4+14=95\) (5の倍数になる)
・\(p=5\) のとき、\(5^4+14=639\) (3の倍数になる)
・\(p=7\) のとき、\(7^4+14=2415\) (3の倍数になる)
3の倍数であることの証明
👉 mod 3 で考える
合同式( mod 3 )って何?と言う人は、「合同式とは?合同式の基本性質を理解し、使えるようにする」で合同式について理解しましょう!
さらに合同式を使う練習をしたい人は「合同式(基本編)基本的な問題で合同式を使う練習」を参考にしてください。
【解答】
(ⅰ) \(p=3\) のとき
\(p^4+14=3^4+14=95\) となり、これは素数ではない
(ⅱ) \(p≠3\) の素数のとき
3を法として
(ア) \(p≡1\) のとき
\(p^4+14≡1^4+14=15≡0\)
(イ) \(p≡2\) のとき
\(p^4+14≡2^4+14=30≡0\)
(ア)、(イ)より\(p≠3\) の素数のとき\(p^4+14\) は3の倍数となる.
さらに、\(p^4+14=3\) を満たす素数 \(p\) は存在しないため、\(p^4+14\)は素数ではない.
(ⅰ)、(ⅱ)から題意は示された.
【参考】(ⅱ)の(ア)と(イ)について
\(p≡2≡(-1)\) より(ア)と(イ)をまとめて
\(p≡±1\) として処理できると楽である.
【参考②】(ⅱ)の別解
\(p^4+14=(p^4-1)+15=(p-1)(p+1)(p^2+1)+15\)
\(p≠3\) の素数のとき、\(p-1\) または \(p+1\) のいずれかは3の倍数
最後に
いかがだったでしょうか?
偶然解けたでは絶対にダメ!
大学受験において、
同じ問題は出題されません。
しかし、同じ形式の問題はよく出題されます!
しっかりと考え方、思考の仕方を学び、初見の問題でも手が出るように演習をしていきましょう!
2018 京都大学(数学)整数問題も類題として良い演習問題になるかと思います。
ぜひ復習に利用してみてください。
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