【1986東京工業大学】
整数 \(a_{n}=19^n+(-1)^{n-1}2^{4n-3}\) ( \(n=1,2,3,\cdots\) ) のすべてを割り切る素数を求めよ.
整数問題の極意は実験!
方針が見えなければ,とりあえず実験してみましょう!
整数問題においては,とにかく手を動かす(具体的に代入する・実験する)ことが極めて大切!その実験の中から,規則や法則を見つけていきましょう!
実験( \(n=1,2,\cdots\) )
・\(n=1\) のとき
\(a_{1}=19+2=21=3\times 7\)
・\(n=2\) のとき
\(a_{2}=19^2-2^5=329=7\times 47\)
\(n=1,2\) の実験の結果から,\(a_{1}\) , \(a_{2}\) の両方を割り切る素数は「 \(7\) 」と予想できる
⇒ \(a_{n}\) が \(7\) の倍数であることを示せばよい
倍数に関する証明問題となったので,「合同式」や「数学的帰納法」を利用する方針,また式の形から「二項定理」を利用する解法が考えられるね!ここでは,最も解答がシンプルになる,「合同式」を利用した解答を紹介します。
解答:合同式(mod7)の利用
\(2^{4n-3}=2\cdot2^{4n-4}=2\cdot2^{4(n-1)}=2\cdot16^{n-1}\) より
\(a_{n}=19^n+(-1)^{n-1}2\cdot16^{n-1}=19^n+2(-16)^{n-1}\) ・・・①
ここで,以下すべて \(mod 7\) として考えると
\(19≡5\) , \(-16≡5\) であるから①より
\(a_{n}≡5^n+2\cdot5^{n-1}\\=5\cdot5^{n-1}+2\cdot5^{n-1}\\=7\cdot5^{n-1}≡0\)
よって \(a_{n}\) は \(7\) の倍数となる.
また,\(a_{1}=19+2=21=3\times 7\) , \(a_{2}=19^2-2^5=329=7\times 47\) であることから,
題意を満たす素数は \(7\) である.
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