2019年センター試験(数学ⅠA)第4問[整数]
(1)問題・考え方・解説
特殊解の見つけ方について
1次不定方程式の解の1つ(特殊解)の見つけ方は主に次の3つになります!
① 頑張って探す
② ユークリッドの互除法の利用
③ 合同式の利用
②については、「【頻出】1次不定方程式 (ax+by=c)の解法2つ(模範解答と時短裏技)」で紹介しています。
ここでは、「③合同式の利用」で特殊解を見つける方法を紹介します。
合同式について不安がある方は
を参考にしてください!
合同式は整数問題を扱う上で必須アイテムです!しっかりとマスターしましょう!
(1)解答・解説
\(49x-23y=1\) ・・・① とおく
①より、\(49x=23y+1\)
以下、\( mod 23\) として考えると、
\(49x≡1\) ・・・②
\(49x≡3x≡1\)
これを \(16\) 倍すると
\(48x≡16\)・・・③
②ー③より、\(x≡-15≡8\)
これを満たす \(1\) 桁の自然数は \(x=8\) ・・・〈ア〉
①より、\(y=17\) ・・・〈イウ〉
また①より、\(y=\displaystyle\frac{49}{23}x-\displaystyle\frac{1}{23}\)
つまり傾きが \(\displaystyle\frac{49}{23}\) の直線を表すので、格子点を考えると整数 \(k\) を用いて、
\(x=8+23k\)、\(y=17+49k\) ・・・〈エ〜キ〉
(2)問題と解説
\(A=49x\)、\(B=23y\) とおくと、
\(| 49x-23y |=1\) \(\iff\) \(49x-23y=\pm1\)
( ⅰ ) \(49x-23y=1\) のとき
(1)より、\(A\) が最小となるのは \((x,y)=(8,17)\)
つまり、\((A,B)=(49\times8,23\times17)\)
( ⅱ ) \(49x-23y=-1\) のとき
(1)よりこれを満たす特殊解の \(1\) つは、\((x,y)=(-8,-17)\)
よって整数 \(k\) を用いて、\(x=-8+23k\)、\(y=-17+49k\)
\(x\) が最小の自然数となるのは、\(k=1\) のとき
つまり、\(x=15\)
したがって題意を満たすのは、\((A,B)=(49\times8,23\times17)\) ・・・〈サ〜ス〉
また、\(| 49x-23y |=2\) \(\iff\) \(49x-23y=\pm2\)
上と同様に考えると、
( ⅰ ) \(49x-23y=2\) のとき
(1)よりこれを満たす特殊解の \(1\) つは、\((x,y)=(16,34)\)
よって整数 \(l\) を用いて、\(x=16+23k\)、\(y=34+49k\)
\(x\) が最小の自然数となるのは、\(k=0\) のとき \(x=16\)
( ⅱ ) \(49x-23y=-2\) のとき
(1)よりこれを満たす特殊解の \(1\) つは、\((x,y)=(-16,-34)\)
よって整数 \(l\) を用いて、\(x=-16+23k\)、\(y=-34+49k\)
\(x\) が最小の自然数となるのは、\(k=1\) のとき \(x=7\)
したがって、題意を満たすのは \(x=7\)
このとき \(y=15\)
よって、\((A,B)=(49\times7,23\times15)\) ・・・〈サ〜ス〉
(3)問題と解説
\(a\) が奇数のとき、\(a\) と \(a+2\) は互いに素であるから、最大公約数は \(1\)
\(a\) が偶数のとき、\(a+2\) も偶数であるから、最大公約数は \(2\)
よって、\(a\)、\(a+2\) の最大公約数は \(1\) または \(2\) ・・・〈セ〉
証明については2005 東京大学【整数問題】3 以上 999 以下の奇数aで、\(a^2-a\)が 10000 で割り切れるもの
次に、\(a\)、\(a+1\)、\(a+2\) は連続する \(3\) つの整数であるから、
少なくとも \(1\) つは \(2\) の倍数かつ \(3\) の倍数.
よって、\(6\) の倍数 ・・・〈ソ〉
(4)問題と解説
\(6762=2\times3\times7^2\times23\) ・・・〈タ〜テ〉
( ⅰ ) \(| A-B | = 0\) \(\iff\) \(A=B\) のとき
このとき \(b\) を最小とするのは、\(b+2=49\times23\)
よって、\(b=1125\)
( ⅱ ) \(| A-B | = 1\) \(\iff\) \(A-B=\pm1\) のとき
(2)より \(A\) が最小となるのは、\((A,B)=(49\times8,23\times17)\)
このとき \(b\) を最小とするのは、\(b+2=49\times8\)よって、\(b=390\)
( ⅲ ) \(| A-B | = 2\) \(\iff\) \(A-B=\pm2\) のとき
(2)より \(A\) が最小となるのは、\((A,B)=(49\times7,23\times15)\)
このとき \(b\) を最小とするのは、\(b+2=49\times7\)よって、\(b=343\)
したがって、求める \(b\) の値は、\(b=343\) ・・・〈ト〜ニ〉
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